侍ジャパンから消えた最強世代「88年組」が1人も選ばれなかった理由とは
(C)Getty Images
1月下旬の正式発表を前に、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨む侍ジャパンの最終メンバー30選手の内定が一斉に報じられた。史上最強とも名高い豪華メンバーが集結。ただ、その中でこれまでの侍ジャパンとは大きく異なる点がある。史上最強世代と称されてきた1988年生まれの選手が一人も選出されなかったのだ。
高校時代には「ハンカチ世代」とも呼ばれた彼らは、長く侍ジャパンの顔的存在として君臨し、支えてきた。投手では田中将大、大野雄大。捕手は会沢翼。そして野手では坂本勇人、柳田悠岐といった面々が、姿を消した。会沢は選出後に負傷辞退したが、5人とも2021年夏の東京五輪では侍ジャパンの主力として選出されていた。
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日本代表も過渡期を迎えた、ということだろう。坂本、柳田はコンディション面で不安があり、シーズンに集中するため辞退したとも伝えられている。田中と大野は、昨季のパフォーマンスを考えると、内定報道が伝えられている15投手との単純比較で不安が残る。プレー面でも、体力面でも、もはや絶対的な存在ではなくなってしまった。
36歳で選出されているダルビッシュ有は別格として、それ以外の29選手は全員1988年世代より年下の選手たちだ。この世代は今季、35歳シーズンを迎える。一般社会では脂が乗りきり、これからが働き盛りとされるが、アスリートとしては一つの峠を迎える頃合いかもしれない。
内定選手たちの平均年齢27・3歳は、歴代のWBC侍ジャパンと比較しても最も若い。22歳の村上宗隆、21歳の佐々木朗希ら、昨季頭角を現した若手も数多い。最年少となる高橋宏斗は20歳。若返りを図った上で、史上最強のメンバーと評されるのは、頼もしい限りと言えそうだ。
コロナ禍において時計の針を止めていた国際大会だが、昨年からほぼ全てのスポーツで動き出した。WBCは今年3月の第5回大会を終えたら、3年後の2026年に第6回大会を開催することが、MLBの労使協定で定められた。
五輪での野球競技は、東京五輪での一度きりで再び消滅しており、世界野球ソフトボール連盟主催のプレミア12にはメジャーリーガーは出場していない。実質的に唯一の世界一決定戦とも言えるWBC。今年に続き、3年後に控える大会でも、今回若返ったメンバーが主力を担っていくことは間違いない。
今回の内定選手を見ても、村上、佐々木朗に、山本由伸、今永昇太、松井裕樹らは、3年後にはメジャーリーガーとなっている可能性が十分にある。今大会はダルビッシュ、大谷翔平、鈴木誠也、吉田正尚、ヌートバーと最多タイ5人のメジャーリーガーが出場すると話題となっているが、その数字も大きく塗り替える公算が大。今大会だけでなく、3年後もにらんでも、わくわくさせてくれるフレッシュな侍たちが集結した。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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