2018年シーズンのF1注目ポイント(3):フランスの最新サーキットとして改修するポール・リカール
F1iのテクニカルエキスパート、ニコラ・カルパンチエが2018年のF1シーズンの注目ポイントを全4回に分けて紹介していく連載企画。第3回は10年ぶりに復活するフランスGPについてだ。
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■フランスGP復活。F1で増すフランスの存在感
2018年、久しぶりに復活するフランスGPについて、ルイス・ハミルトンが先日こんなことを言っていた。
「フランスで再びF1が開かれるのはすごくいいことだけど、どうしてポール・リカールなのかなあ。せめてマニクールでやってほしかったよ」
ハミルトンが実際に走る前に、しかも現在大改修中で、完成後は生まれ変わるであろうサーキットに、歯に衣着せぬ批判をしたのはどういうことだったのか。おそらく以前の単調なレイアウトが、念頭にあったのかもしれない。
「何よりもオーバーテイクが可能になるよう、いくつかのコーナーに変更を加えている」そう語るのはポール・リカールの責任者ステファン・クレールである。
「一番有効なのは、複数の走行ラインを取れるコーナーを作ることだ。バトルしてる2台のマシンが異なるラインで仕掛け合うのは、観てる方もワクワクするからね。時速50kmで抜けるふたつの超低速コーナーを、コーナリングスピードを2倍から2倍半程度速くなるようレイアウト変更した。いろんな攻め方ができるコーナーに、生まれ変わったはずだ」
2017年最終戦アブダビGPでの退屈な展開を見ても、オーバーテイクの問題がいかに重要かわかろうというものだ。ポール・リカールはそれ以外にもグランドスタンドやパドック、サーキットへのアクセスなどすべての設備を見直し、F1全21戦の中でも屈指の最新サーキットとして生まれ変わることになっている。
あとはコース上でどれだけ、手に汗握る戦いが繰り広げられるかである。ポール・リカールでの最後のグランプリとなった1990年のフランスGPでは、フェラーリのアラン・プロストに新鋭レイトンハウスのイバン・カペリが挑み、あわや勝利を掴みかける大健闘を披露した。
F1におけるフランスの存在は、ここ数年いっそう大きくなっている。ドライバーはロマン・グロージャン、エステバン・オコン、そしてピエール・ガスリー。ルノーはパワーユニットをレッドブルとマクラーレンに供給すると同時に、フルコンストラクターとして着実に力を付けている。エリック・ブーリエ(マクラーレンのレーシングディレクター)やフレデリック・バスール(ザウバー代表)といったフランス人たちの存在も欠かせない。
そして表からはあまり目立たないが、フランス人エンジニアなしには、各チームはほとんど機能しないといっても過言ではないのだ。
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