【コラム】「4失点は論外」…DF原輝綺が感じた自分の“不甲斐なさ”と成長への“道しるべ”
サッカーキング2018年1月20日(土)14時37分
U23選手権で悔しい経験をした原輝綺 [写真]=Getty Images
虚しくボールを見送ること、実に4度。AFC U-23選手権準々決勝、日本はウズベキスタンに0-4の大敗を喫して敗れ去ることとなった。取材ゾーンに現われたDF原輝綺(アルビレックス新潟)は自分自身に対する怒りの感情を隠さなかった。
「後ろの選手として4失点は論外」
堅守という絶対的伝統を誇る市立船橋高校出身の選手であるため、何よりもその点が許せなかったのだろう。ポゼッションの不具合といった点について主に言及する選手が多かったのに対して、原は最初から少しテンションが違った。
「自分の力のなさがモロに出た試合だなと思いますし、ここで4失点は本当に不甲斐ない。失点してからの時間帯は最悪というか、本当に酷すぎた。自分たちの力のなさと甘さが出た試合です」
特に原がこだわったのは、「最後のシュートブロック」だ。ウズベキスタン代表は「試合やっていても、今までの相手とはまるで違うなと感じた」難敵である。押し込みまくって勝てる相手でないことは明らかで、だからこそ最終ラインでの我慢が大事になる。そうした展開では5バックで守る“森保システム”は、たとえ耐える展開になったとしても強さを見せられるのが特長だ。
「(失点場面で)人がいるけれど入っちゃうことがほとんど。そこはしっかり止めていかないといけなかった」(原)
指揮官も「耐えられずにズルズルいってしまった点は大きな反省点」と言及したように、力で劣るならば、我慢の展開を耐えなければいけなかったはずだが、そもそも「耐える」という方向での意思統一も欠いていたように見えた。
今大会で原が務めた3バックの右DFというポジションは「新潟のキャンプでちょっとやって以来、1年ぶりくらい」という久々の役割である。タイ戦では柔軟なポジショニングでボールを引き出して運んで試合の流れを作るなど、ボランチもこなす原をこの位置で使うメリットはしっかり見せてもきた。だが、この試合ではそうした戦術的なプレーも影を潜めてしまう。
序盤こそ相手の裏へ選手を走らせるプレーもあった原だが、相手が日本のショートパスに食い付こうと前から狙っていた時間帯にそうした選択が出てこない。
「“たら・れば”ですけれど、(長いボールを)出したら良かったと思いますし、相手が前から来る中で、全部足・足じゃなくて、割り切ってスペースに落としたりとか、もっと出してよかった」
新監督がやって来たとき、そこで掲げられたチームコンセプトに縛られてしまって判断が窮屈になるのは珍しい話ではない。こなさないと外されるという恐怖心を感じてしまうのはナチュラルな感情だ。しかしだからこそ、その枠から離れる“決断”のできる大人の選手が必要で、今回のディフェンスラインでもっとも経験のある選手だった原には、やはりそこまで踏み切れる選手になってほしいところではある。
「そういう(後ろから繋ぐ)コンセプトでもちろんやっていますし、それが理想。ただ、相手があってのスポーツなので。そこを感じながらやれというのは監督からも言われていることですし、試合の中で自分たちで判断してやれなかった結果が4失点だった」
悔しさしか残らない敗戦を経て、チームはもちろん、個々人がどれだけ伸びていけるかが東京五輪にも繋がっていく。
「言い訳をしていられない。チームに戻って立て直していきたいなと思います」
新潟の星は、新シーズンであらためて牙を研ぎ直す。
文=川端暁彦
「後ろの選手として4失点は論外」
堅守という絶対的伝統を誇る市立船橋高校出身の選手であるため、何よりもその点が許せなかったのだろう。ポゼッションの不具合といった点について主に言及する選手が多かったのに対して、原は最初から少しテンションが違った。
「自分の力のなさがモロに出た試合だなと思いますし、ここで4失点は本当に不甲斐ない。失点してからの時間帯は最悪というか、本当に酷すぎた。自分たちの力のなさと甘さが出た試合です」
特に原がこだわったのは、「最後のシュートブロック」だ。ウズベキスタン代表は「試合やっていても、今までの相手とはまるで違うなと感じた」難敵である。押し込みまくって勝てる相手でないことは明らかで、だからこそ最終ラインでの我慢が大事になる。そうした展開では5バックで守る“森保システム”は、たとえ耐える展開になったとしても強さを見せられるのが特長だ。
「(失点場面で)人がいるけれど入っちゃうことがほとんど。そこはしっかり止めていかないといけなかった」(原)
指揮官も「耐えられずにズルズルいってしまった点は大きな反省点」と言及したように、力で劣るならば、我慢の展開を耐えなければいけなかったはずだが、そもそも「耐える」という方向での意思統一も欠いていたように見えた。
今大会で原が務めた3バックの右DFというポジションは「新潟のキャンプでちょっとやって以来、1年ぶりくらい」という久々の役割である。タイ戦では柔軟なポジショニングでボールを引き出して運んで試合の流れを作るなど、ボランチもこなす原をこの位置で使うメリットはしっかり見せてもきた。だが、この試合ではそうした戦術的なプレーも影を潜めてしまう。
序盤こそ相手の裏へ選手を走らせるプレーもあった原だが、相手が日本のショートパスに食い付こうと前から狙っていた時間帯にそうした選択が出てこない。
「“たら・れば”ですけれど、(長いボールを)出したら良かったと思いますし、相手が前から来る中で、全部足・足じゃなくて、割り切ってスペースに落としたりとか、もっと出してよかった」
新監督がやって来たとき、そこで掲げられたチームコンセプトに縛られてしまって判断が窮屈になるのは珍しい話ではない。こなさないと外されるという恐怖心を感じてしまうのはナチュラルな感情だ。しかしだからこそ、その枠から離れる“決断”のできる大人の選手が必要で、今回のディフェンスラインでもっとも経験のある選手だった原には、やはりそこまで踏み切れる選手になってほしいところではある。
「そういう(後ろから繋ぐ)コンセプトでもちろんやっていますし、それが理想。ただ、相手があってのスポーツなので。そこを感じながらやれというのは監督からも言われていることですし、試合の中で自分たちで判断してやれなかった結果が4失点だった」
悔しさしか残らない敗戦を経て、チームはもちろん、個々人がどれだけ伸びていけるかが東京五輪にも繋がっていく。
「言い訳をしていられない。チームに戻って立て直していきたいなと思います」
新潟の星は、新シーズンであらためて牙を研ぎ直す。
文=川端暁彦
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