【コラム】ケルンで復調の大迫勇也、日本代表のエースとして後半戦はさらなる“結果”を
サッカーキング2018年1月22日(月)17時38分
大迫勇也は再びケルンで輝けるか [写真]=Getty Images
1月20日に行われたブンデスリーガ第19節、ハンブルガーSV対ケルン。大迫勇也は12月2日のシャルケ戦以来、5試合ぶりに先発出場を果たし、冬の移籍期間にシュトゥットガルトから復帰したシモン・テロッデと2トップを組んだ。
「オフ期間は鹿児島の実家にも行きましたけど、温泉旅行でも走ってました。熱海だったんですけど、坂がすごかった。いいトレーニングになりましたよ。しっかり筋肉もついてきたんじゃないですか」と本人も笑顔で話したように、今シーズン後半戦に向けて自分自身を追い込んでフィジカル強化を図ったという。
その効果が出たのか、この日の大迫は立ち上がりからキレのある動きを見せる。開始早々の6分にはテロッデの落としに反応。鋭い動き出しからゴール前に突進し、相手DFキリアコス・パパドプーロスのイエローカードを誘った。さらに11分にはクリスティアン・クレメンスのスルーパスに抜け出し、ゴール前で決定機を迎える。しかしながら、惜しくもシュートを打ち切れずに得点には至らなかった。
それでも27分、デロッデの先制点を巧みにアシストする。CKの場面でニアサイドの大迫は頭でボールをすらし、ファーサイドにいたテロッデの1点目を演出。デロッデとの連携もまずまずで、2人で連動しながら攻守両面でチームに貢献した。この試合では63分にマティアス・レーマンと交代したが、スタメン奪回に向けて大きな一歩を踏み出した。
大迫は昨シーズン25得点を挙げたアントニー・モデスト(天津権健)に代わる得点源として期待されていたが、ここまでわずか1得点。予期せぬ苦境にあえいでいる。チームも最下位に低迷し、12月上旬にはペーター・シュテーガー監督(現ドルトムント)が解任されてしまった。シュテーガー体制では絶対的主力として位置付けられてきたが、後任のシュテファン・ルーテンベック監督はFW陣の見直しに着手。後半戦からはデロッデを軸に据えている。現在はそのパートナー探しの真っ最中で、ウィンターブレイク明け初戦のボルシアMG戦ではシモン・ツォラーを起用。今回は大迫にチャンスを与えた格好だ。彼自身もこの試合の重要性をよく理解していたはず。今シーズン3勝目につながる先制点に絡んだことで、ある程度の期待に応えたと言っていいのではないだろうか。
ここから大迫に求められるのは、やはり得点という結果。昨シーズン7得点を挙げた後、「まだまだ得点が少ない。今季は2桁を狙いたいですね」と意欲を口にしていただけに、後半戦でのゴールラッシュが強く求められるところだ。
「前半戦はケガ人が多くて、なかなか前で試合に出られなかった。それが一番大きかった。だけど後半戦は選手が戻ってくるし、ヨーロッパリーグ(EL)もなくなって試合間隔が開くからコンディションも上がってくる。そこでいかに自分が結果を出せるかだと思います。僕としては2桁を貪欲に狙い続けたいですけどね」と大迫自身も改めて闘志を燃やしている。
そのためにも、ルーテンベック監督が信頼を寄せるデロッデとのコンビネーションに磨きをかけ、昨シーズンのモデストとの関係を彷彿させるような「阿吽の呼吸」を見せる必要があるだろう。デロッデは後半戦スタートから2試合3得点と気を吐いているだけに、彼といい距離感を保ちながら、自らにも得点チャンスが回ってくるような方向へと導ければ理想的。そうやって「生かし、生かされる関係」を構築できれば、得点量産も現実になり得るのだ。
同じブンデスリーガでプレーする武藤嘉紀(マインツ)が後半戦2試合で3得点と爆発していることもいい刺激になっているはず。日本代表で当落選上にいると言われる武藤が猛アピールを見せているのだから、半年後に迫った2018 FIFAワールドカップ ロシア行きが確実視される大迫はより大きなインパクトを見せないわけにはいかない。
「まずはクラブで1戦1戦しっかりと戦うことがW杯に近づくのかなと。まだ選ばれる保証もないし、結果を出した人が行くものだと思うから、自分にプレッシャーを与えながら頑張りたい」と本人も強い危機感を吐露していた。
4年前のブラジルW杯でコートジボワール戦、ギリシャ戦に先発しながら仕事らしい仕事をできなかった悔しさを忘れたことはない。大迫もその屈辱感を払しょくするために、この4年間ドイツで努力を続けてきた部分も少なからずあるだろう。だからこそ、この半年をより大切にしなければいけない。
ケルンで得点を積み重ね、チームを2部降格の窮地から救い出し、そのうえでロシアへ赴ければベストなシナリオ。大迫勇也が日本代表の新エースとして君臨しようと思うなら、それくらいの大仕事をやり切ってほしいものだ。
文=元川悦子
「オフ期間は鹿児島の実家にも行きましたけど、温泉旅行でも走ってました。熱海だったんですけど、坂がすごかった。いいトレーニングになりましたよ。しっかり筋肉もついてきたんじゃないですか」と本人も笑顔で話したように、今シーズン後半戦に向けて自分自身を追い込んでフィジカル強化を図ったという。
その効果が出たのか、この日の大迫は立ち上がりからキレのある動きを見せる。開始早々の6分にはテロッデの落としに反応。鋭い動き出しからゴール前に突進し、相手DFキリアコス・パパドプーロスのイエローカードを誘った。さらに11分にはクリスティアン・クレメンスのスルーパスに抜け出し、ゴール前で決定機を迎える。しかしながら、惜しくもシュートを打ち切れずに得点には至らなかった。
それでも27分、デロッデの先制点を巧みにアシストする。CKの場面でニアサイドの大迫は頭でボールをすらし、ファーサイドにいたテロッデの1点目を演出。デロッデとの連携もまずまずで、2人で連動しながら攻守両面でチームに貢献した。この試合では63分にマティアス・レーマンと交代したが、スタメン奪回に向けて大きな一歩を踏み出した。
大迫は昨シーズン25得点を挙げたアントニー・モデスト(天津権健)に代わる得点源として期待されていたが、ここまでわずか1得点。予期せぬ苦境にあえいでいる。チームも最下位に低迷し、12月上旬にはペーター・シュテーガー監督(現ドルトムント)が解任されてしまった。シュテーガー体制では絶対的主力として位置付けられてきたが、後任のシュテファン・ルーテンベック監督はFW陣の見直しに着手。後半戦からはデロッデを軸に据えている。現在はそのパートナー探しの真っ最中で、ウィンターブレイク明け初戦のボルシアMG戦ではシモン・ツォラーを起用。今回は大迫にチャンスを与えた格好だ。彼自身もこの試合の重要性をよく理解していたはず。今シーズン3勝目につながる先制点に絡んだことで、ある程度の期待に応えたと言っていいのではないだろうか。
ここから大迫に求められるのは、やはり得点という結果。昨シーズン7得点を挙げた後、「まだまだ得点が少ない。今季は2桁を狙いたいですね」と意欲を口にしていただけに、後半戦でのゴールラッシュが強く求められるところだ。
「前半戦はケガ人が多くて、なかなか前で試合に出られなかった。それが一番大きかった。だけど後半戦は選手が戻ってくるし、ヨーロッパリーグ(EL)もなくなって試合間隔が開くからコンディションも上がってくる。そこでいかに自分が結果を出せるかだと思います。僕としては2桁を貪欲に狙い続けたいですけどね」と大迫自身も改めて闘志を燃やしている。
そのためにも、ルーテンベック監督が信頼を寄せるデロッデとのコンビネーションに磨きをかけ、昨シーズンのモデストとの関係を彷彿させるような「阿吽の呼吸」を見せる必要があるだろう。デロッデは後半戦スタートから2試合3得点と気を吐いているだけに、彼といい距離感を保ちながら、自らにも得点チャンスが回ってくるような方向へと導ければ理想的。そうやって「生かし、生かされる関係」を構築できれば、得点量産も現実になり得るのだ。
同じブンデスリーガでプレーする武藤嘉紀(マインツ)が後半戦2試合で3得点と爆発していることもいい刺激になっているはず。日本代表で当落選上にいると言われる武藤が猛アピールを見せているのだから、半年後に迫った2018 FIFAワールドカップ ロシア行きが確実視される大迫はより大きなインパクトを見せないわけにはいかない。
「まずはクラブで1戦1戦しっかりと戦うことがW杯に近づくのかなと。まだ選ばれる保証もないし、結果を出した人が行くものだと思うから、自分にプレッシャーを与えながら頑張りたい」と本人も強い危機感を吐露していた。
4年前のブラジルW杯でコートジボワール戦、ギリシャ戦に先発しながら仕事らしい仕事をできなかった悔しさを忘れたことはない。大迫もその屈辱感を払しょくするために、この4年間ドイツで努力を続けてきた部分も少なからずあるだろう。だからこそ、この半年をより大切にしなければいけない。
ケルンで得点を積み重ね、チームを2部降格の窮地から救い出し、そのうえでロシアへ赴ければベストなシナリオ。大迫勇也が日本代表の新エースとして君臨しようと思うなら、それくらいの大仕事をやり切ってほしいものだ。
文=元川悦子
(C) SOCCERKING All rights reserved.
「ケルン」をもっと詳しく
「ケルン」のニュース
-
レヴァークーゼン、両WBのゴールで10人のケルン撃破!…2位バイエルンと「10」ポイント差に3月4日1時24分
-
ヘティヒの新製品 FurnSpin(ファーンスピン)搭載の家具が世界デビュー !1月25日13時16分
-
ドルトムント、昨年10月以来のリーグ戦連勝!…フュルクルクはブンデス通算50ゴール達成1月21日1時31分
-
発売50周年を迎える神戸のソウルフード「チョコッペ」。神戸の老舗ベーカリー“ケルン”を代表するパンの誕生秘話とは。12月5日11時0分
-
バイエルンが6連勝! ケインは今季18点目、英国人のシーズン最多得点記録を12試合で更新11月25日9時34分
-
ボーフム、最下位ケルンとドローで連勝ならず…浅野拓磨は再三チャンスに絡むも無得点11月12日5時2分
-
日本代表・橋岡大樹「ブンデスからプレミア移籍が夢」ケルン関心に言及も11月4日5時39分
-
1日1600本売れる! 神戸の名物パン『ケルン』の「チョコッペ」の秘密とは?8月5日10時49分
-
元浦和DF橋岡大樹が移籍へ「ケルンなど関心」STVVは後釜確保か7月18日5時57分
-
元浦和・橋岡大樹にベルギー強豪移籍浮上。ケルン関心報道後にSTVV合流も6月29日5時27分
スポーツニュースランキング
-
1球宴3度出場の元MLB戦士が大谷翔平に“疑念” 水原容疑者の違法賭博騒動にまさかの意見「突然、物語が変わった」 ココカラネクスト
-
2批判殺到!どこ投げてんだよ…! 大谷翔平、まさかの盗塁で“異変”が起きた…!? 相手捕手のリアクションがヤバすぎる 「古田さんも思わず苦笑」「さすがに無謀w」 ABEMA TIMES
-
3大の里が単独トップで千秋楽へ!史上最速Vに王手、琴櫻が痛恨黒星、4敗で4人が追う展開に【大相撲夏場所・14日目】 TBS NEWS DIG
-
4大谷翔平が“史上5人目の快挙”へ! 第1打席に左前打で4試合連続安打 打率「.350」維持なら歴史的記録を達成 ココカラネクスト
-
5【DeNA】オースティンにアクシデント カメラマン席ダイブで必死のキャッチもしばらく立てず球場騒然、途中交代に スポーツ報知