WRC:トヨタ、2017年以来のスウェーデン制覇なるか。ラトバラ最多出場数更新、4台目のヤリスも登場
2019年のWRC世界ラリー選手権に3台のトヨタ・ヤリスWRCを投入しているTOYOTA GAZOO Racing WRT。チームが挑む2019年シーズン2戦目は北欧スウェーデンを舞台に行われるフルスノーイベント、ラリー・スウェーデンだ。
2019年はオット・タナクとヤリ-マティ・ラトバラ、クリス・ミークの3名を起用してシリーズを戦っているトヨタ。1月24〜27日に行われた第1戦モンテカルロではタナクが総合3位表彰台を獲得したほか、3台合わせて9つのステージでトップタイムを刻むなど、ライバルを上回るスピードをみせつけた。
そんな第1戦から短いインターバルを経て行われる第2戦は雪深いスウェーデンを舞台に行われるフルスノーイベント。コース上には雪が積もっているが、その雪が固く締まっていると各マシンが履くスタッドタイヤをしっかりと受け止め、グリップレベルを高める。
またドライバーたちはコーナリング時、コース脇にある雪だまりにマシンを“寄りかからせる”ことでコーナリングスピードを稼ぐこともできる。この結果、ラリー・スウェーデンはシリーズ屈指のハイスピードバトルが展開される1戦となる。
ただし、新雪が多く積もっているような状況ではスタッドが雪面を捉える力が弱くなりグリップレベルが低下。とくに出走順が早いほど不利益を被る。
またコーナリングで利用できる雪だまりも、マシンを支えられるだけの強度がなかった場合、マシンが埋まる可能性があるほか、固すぎるとマシンにダメージを負う可能性もあり、ドライバーたちにはその見極めも求められる。
トヨタにとって、このラリー・スウェーデンはシリーズ復帰初年度の2017年に初優勝を飾った大会で、2018年はエサペッカ・ラッピが総合4位に食い込むなど強さを発揮しているイベントだ。
ラリーの中心となるサービスパークはスウェーデンのトルスビーに置かれる。競技は2月14日(木)の現地9時(日本時間17時)ごろにシェイクダウンが行われ、同日20時8分(日本時間15日4時8分)にSS1が行われる。
15日(金)から本格的に競技が始まる。この日は隣国ノルウェーにも足をのばしSS2〜8の7SSが、翌16日(土)はSS9〜16の8SSが行われる。SS11とSS14に組み込まれているヴァルゴセンは大ジャンプが有名な“コリンズクレスト”を含むステージだ。
競技最終日となる17日(日)はSS17〜19までの3SSで争われる。最終ステージのSS19はステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージで、現地12時18分(日本時間17日20時18分)ごろにスタートする予定だ。
全19SSの走行距離は316.8km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1460.59kmとなっている。
ちなみに2017年にトヨタに復帰後初勝利をもたらしたラトバラは、2019年大会で通算197回目のWRC出走となる。この数字はトヨタで2度のワールドチャンピオンを獲得しているカルロス・サインツを抜き、史上最多出場回数となる。
また、2度のWRCチャンピオンであるマーカス・グロンホルムも、2019年のラリー・スウェーデンに参戦。プライベーターとして4台目のヤリスWRCを走らせる。
■史上最多出場回数更新のラトバラ「今年のラリー・スウェーデンは特別な意味を持つ1戦」
「開幕戦ラリー・モンテカルロではとても良い形でシーズンのスタートを切れたから、ラリー・スウェーデンで優勝を争う準備はできている」とチーム代表のトミ・マキネン。
「昨年は路面のコンディションと出走順が大きく影響し、我々にとっては厳しい戦いとなった。しかし、今年はライバルと比べて良い出走順だから、それほど心配はしていない」
「ここ数週間、フィンランドでテストを行なってきたから準備は万端だし、我々のクルマはスウェーデンのステージにとても合っていると確信しているよ」
第1戦で総合8番手から総合3位まで順位を挽回し、圧倒的な速さをみせたタナクは「今年はトップ争いができることを期待している。スウェーデンのステージは流れるように高速で、もし条件が合えば本当に楽しめるラリーだし、我々のクルマもきっと力を存分に発揮できるだろう」とコメント。
今大会で史上最多出場回数を更新するラトバラは「今年のラリー・スウェーデンは私にとって特別な意味を持つ1戦となる」と語った。
「かつて私は2008年のスウェーデンでWRC史上最年少優勝ドライバーとなり、それから11年後の今年はもっとも経験豊かなWRCドライバーとなるんだ」
「2017年にヤリスWRCで初優勝した時のように、優勝争いをできることを期待している。ただし、そのためにはモンテカルロでは完全には得られなかった、良いフィーリングをつかむ必要があるけどね」
トヨタ移籍後2戦目となるミークは「クルマについて学び、そしてドライビングを楽しむこと。それが、開幕戦から続くそれぞれ大きくタイプが大きく異なる3つのラリーを戦う上での私の目標だ」と、マシンの習熟度を高めたいとの考えを示している。
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