スバル/STI、BRZ GT300の2023年仕様を公開。コーナリングなど性能を高め王座奪還を目指す
2月21日、スバル/STIは静岡県の富士スピードウェイで、スバルBRZ GT300の2023年仕様を公開、シェイクダウンを行った。今季は空力、シャシー性能向上、さらにタイヤとホイールを新開発。エンジンも信頼性と性能向上を図り、チャンピオン奪還を目指す。
2021年に井口卓人/山内英輝がチャンピオンを獲得し、2022年も連覇を目指したBRZ GT300。昨年は惜しくもタイトルには届かなかったが、2023年も井口と山内のコンビ継続をすでに1月の東京オートサロンで発表。開幕に向けて準備を進めてきた。
例年同様、スバル/STIは富士スピードウェイでメディアやスポンサーを招き、BRZ GT300のお披露目会を行ったが、2023年に向けてカラーリングは昨年のものからゴールドのラインがなくなったものの、前年に近いものを踏襲しつつ、リヤを中心にブラッシュアップされたものが採用された。
大きく変貌を遂げているのは内面だ。「昨年はあと一歩というところでチャンピオンを逃してしまいましたが、GT300は群雄割拠で、非常に勝つことが難しいカテゴリーです。しかし、今季に向けてはチャンピオン奪還を目指して、チーム全員が全力を尽くしていきます」と小澤正弘総監督。
もちろんGT300は全勝を目指して実現するカテゴリーではないが、「昨年も目標に挙げていましたが、全戦でポイントを獲得できるような、強い戦い方をしていきたいと思います」という。この目標に向けて、2022年から準備が進められてきたのが、2023年に向けた改良だ。
今季のBRZは、2023年のGT300規定の変更によるバランスの変化に合わせ、ボディ下面、フロアパネル等を改良。ダウンフォース増加、走行抵抗の低減を目指す。ただこの日はこれらのパーツは盛り込まれておらず、開幕を目指して変更が進められるという。
また、得意のコーナリングスピードを向上させるべく、サスペンションセッティングなどを変更するほか、タイヤ、ホイールを新開発することにより剛性アップを狙う。またエンジンの制御系を一新。今季からスーパーGTで採用されるカーボンニュートラルフューエルに対応し、加速力向上、ドライバビリティアップを狙い、テストごとにセッティングを進めているという。
ドライバーふたりも、今シーズンにかける意気込みは強い。井口は「今季は改めてチャンピオン奪還を目指して頑張っていきたいと思っていますが、それ以上に、スポンサーの皆さん、ファンの皆さんと笑顔をいっぱい作っていきたいと思います」と語った。
また山内も「今年はチャンピオン奪還を目指していきますが、個人的には、予選での最多ポールポジション記録更新を今年中に成し遂げたいですし、誰にも抜かれない記録を自分自身で作り上げていきたいと思っています。そのためには、皆さんのご協力なしでは速さは出せないと思っています」と、現在12回で通算ランキング2位のポールポジション記録を更新したいと意気込んだ(最多は佐々木孝太、高木真一の13回)。
この日は、他のGT300規定車両も走行するなか、BRZ GT300は富士でシェイクダウンを実施。エキゾーストノートは昨年までとやや異なり、エンジン制御系の変化を感じさせた。
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