ルーキーらに雨の洗礼。赤旗3回のセッション1は、終盤タイムアップした牧野任祐が最速/鈴鹿公式合同テスト
2月21日、三重県の鈴鹿サーキットで全日本スーパーフォーミュラ選手権の公式合同テストがスタートした。2日間のテストの走り始めとなるセッション1では、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がトップタイムをマークしている。
2024年のスーパーフォーミュラは、ここ数年よりも約1カ月早い、3月9〜10日に鈴鹿で開幕を迎える。昨年までFIA F2に参戦していたテオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)や岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、“現役女子高生ドライバー”のJuju(TGM Grand Prix)、メーカー間移籍を果たした福住仁嶺(Kids com Team KCMG)や大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)ら、多くの注目ドライバーがひしめくシーズンを迎えようとしている。
今回の2日間は、参戦する各チームにとって、2023年シーズン終了後の12月に鈴鹿で行われた合同/ルーキーテスト以来、そして開幕前最後の走行機会となる。
テストには、すでに今季のレースシートが確定している20台を含む、全21台の車両がエントリー。今季から共通化されるダンパーの確認を含め、開幕に向けた貴重な走行機会となる2日間だが、あいにく天気予報は雨。この日も朝からサーキットには雨が降り注ぎ、路面はウエット状態で10時45分のセッションスタートを迎えた。
しとしとと雨が落ちる気温14度/路面温度14度というコンディションのなか、各車が続々とコースイン。しかしアウトラップのNIPPOコーナーでプルシェールがコースオフ、アウト側のグラベルにストップしたため、開始2分の時点で早くも赤旗が提示されることとなった。
プルシェールのマシン回収ののち、セッションは11時03分に再開。2023年6月の富士テストから導入された、再生可能原料比率を高めたウエットタイヤでの本格的なウエットコンディション走行は初となることもあってか、各陣営ともセッション序盤から積極的に周回を重ねていった。なお、ウエットタイヤは2日間で6セットが供給されている。
だが、再開後10分もたたないうちにJujuがS字から逆バンクへとアプローチするところでスピンを喫し、コース左側のバリアに軽くタッチする形でストップ。11時15分に2度目の赤旗が提示された。
この時点の最速タイムは野尻智紀(TEAM MUGEN)の1分53秒729。11時29分に再開されると、野尻は1分53秒544までタイムを縮めた。
徐々にウォータースプラッシュが濃くなっていくなか、11時43分、NIPPOコーナー立ち上がりで路面の水に乗ったか、大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)がバランスを崩して右側のガードレールへとクラッシュ。弾き返されたマシンはデグナーひとつめのコース上を横断し、アウト側のグラベルで停止した。大湯は自力でマシンを降りているが、マシンのダメージは小さくなさそうだ。
これでこのセッション3度目の赤旗導入となり、12時00分に走行再開を迎えた。
このあとは1分54〜55秒台にタイムする車両が続出し、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、山下健太(KONDO RACING)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)が上位に浮上してくる。
セッションは残り20分ほどとなったところで雨はほぼ止み、Jujuもコースへ復帰するなか、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)が3番手、牧野が2番手に浮上すしてくる。
残り10分を切り、ニュータイヤを投入する陣営も出るなかで、牧野がタイムアップ。1分53秒850と、野尻のベストタイムに肉薄する。続いて岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が自己ベストを1分54秒197に縮め、3番手に浮上してくる。
そしてチェッカー目前、牧野がさらにタイムを刻み、1分53秒515で野尻を0秒029上回った。
予定時刻の12時45分、セッション1は終了。首位は牧野、2番手野尻、3番手以下は岩佐、大嶋、可夢偉、佐藤、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、山下と続くトップ8のオーダーとなった。
ルーキー勢では上述のとおり岩佐が首位、プルシェールが15番手、木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)が19番手、Jujuが21番手となっている。
セッション2は14時45分から、2時間が予定されている。
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