【阪神】4年目の和製大砲に漂う覚醒の予感、今春は課題の三振が激減中よ
11打数7安打と好調を維持する佐藤輝。今季は意識が違うようだ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
阪神は2月20日、韓国プロ野球(KBO)のサムスンとの練習試合に2−0で完勝した。2回に決勝の先制2ランを放った20歳の前川右京がスポットライトを浴びたが、それ以上に虎党をざわつかせているのが4年目を迎える佐藤輝明の変身ぶりだ。
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この試合では2回先頭で右前打し、唯一の得点シーンの起点となった。これで実戦5試合連続安打となり、その間は11打数7安打、打率.636というハイアベレージ。これだけでも成長を大きく期待させるが、何よりも際立つのが三振ゼロという数字にある。2四球を含めた計13打席で、未だに三振を喫していない。
プロ3年間で24本塁打→20本塁打→24本塁打と、広い甲子園を本拠地としながら、コンスタントにアーチを描いてきた。左打者の新人から3年連続20本塁打は、NPB史上唯一の記録。一方で2021年のルーキーイヤーにリーグワーストの173三振を喫して以降、137三振→139三振と毎年多くの三振も積み重ねてきた。
3年間では1606打席に立ち、449三振。実に3.57打席に一度の割合で三振を喫してきた。それがここまで、一度もバットが空を切り、天を仰ぐシーンはない。
打撃改造の成果が如実に表れている。昨年のハワイ優勝旅行中にチーム本隊を離れ、米国に渡った。足を運んだ先はシアトル近郊のトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」。大谷翔平やトレバー・バウアーらメジャーリーガーだけでなく、現在では多くの日本のプロ野球選手も通うようになった「虎の穴」へ、虎の主砲が赴いた。
5日間の滞在期間中に、ハイスピードカメラなどの最先端機器で動作解析を行った。データも抽出し、いかに確率を上げていくかのフォームを求めた。帰国後にファンイベントに参加した際には手応えをファンの前で明かしていた。
虎の本当の主砲として、求められる数字は30本塁打であり、その先の40本塁打以上であろう。ここまで3年間で、最もアーチを量産していたのは1年目の4〜5月だった。そこから、悪く言えば打棒は現状維持が続き、なかなか殻を破ることができなかったのも事実だ。
漂い始めた覚醒の予感に、ファンは真の主砲誕生を待ち望んでいる。昨年日本一に輝いた阪神打線は、1番・近本光司、2番・中野拓夢の1・2番コンビが高い出塁率を誇る。そこを返す中軸も確実性が増してくれば。佐藤自身が口にした「アレンパ」へ、カギは虎党が待ち焦がれてきた和製大砲が握る。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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