井上尚弥戦で得た「学び」 難攻不落の王座から陥落したフルトンが語った“怪物”「俺にチャンスを与えてくれた」

2024年5月3日(金)11時0分 ココカラネクスト

井上に打ちのめされたフルトン。そこからいかに這い上がるのかが注目される。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 衝撃的な敗北からいかに這い上がるのか。米国の名手の“再起”に熱視線が注がれている。

 現地時間4月30日に元WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトン(米国)は、6月15日(現地)にラスベガスで、WBA世界フェザー級6位のルイス・ヌニェス(ドミニカ共和国)と戦うと公表した。

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 米老舗誌『The RING』によれば、6月1日に控えるニック・ボール(英国)戦でWBA世界同級王者レイモンド・フォード(米国)が防衛に成功し、王座を返上すれば、ヌニェス戦が王座決定戦に昇格する可能性もあるという。

 フルトンにとっては、現スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)に敗れた昨年7月以来の試合だ。

「俺はより強く、より良く、より賢くなって戻ってくる」

 対峙した“怪物”を前に成す術なく8回TKOでキャリア初黒星を喫した井上戦後に29歳の元王者はそう語った。ゆえに「難攻不落の王者」から一転して敗者となった彼が当時に抱えたショックは想像に難くない。

 敗戦から約2か月後にトレーニングを再開したというフルトン。『The RING』で「俺はイノウエから何かを奪うようなマネはしない」と強調したうえで、井上戦をこう回顧している。

「あの試合で俺は多くのことを学んだ。もっとハードにトレーニングすべきだった。それ以外のことはあまり言いたくない。そして(試合に向けた)考え方も変わったと思う。自分の武器が増えたし、そこから乗り越えた」

 さらに「打ちたいように打てなかったんだ」と振り返ったフルトンは、「世界一」と声価を高める井上の凄みも語っている。

「イノウエは正々堂々と勝ったんだ。素晴らしいボクサーで、俺にチャンスを与えてくれた。もっと良く戦えたはずだったし、試合を楽しむことよりも別の何かに集中してしまっていたんだ。自分自身に腹が立っている」

 井上戦後には「俺は言い訳をしない。何もせず、男らしく振舞う」と語ったフルトン。そこから万全を期し、淡々と準備を重ねてきた29歳は「今年は俺にとって大きな年になる」と意気込んでいる。

「6月15日に始まる。これは俺が言われたことだ。待ちきれない。俺を止められるのは俺だけだ。前回の試合もそう感じていた。前回の試合に向けて、もっとトレーニングして頑張ることもできたはずだけど、今さら、こぼれたミルクについて泣くのは意味がない。落ち着かない場所に足を踏み入れて、また一生懸命に取り組む準備はできている」

 29歳と老いるにはまだまだ早い。井上に喫した敗北を意味のあるものにするためにも、ハイパフォーマンスを望まれるが、はたして——。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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