「厳しい戦いになる」井上尚弥のフェザー級転向に慎重論 かつての宿敵ドネアが私見「彼のパワーが同じように際立つだろうか?」
2025年5月8日(木)5時50分 ココカラネクスト

ドネアは「あの試合ではパワーに偏重しすぎていた」とカルデナス戦の井上を分析した(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
かつての宿敵が警鐘を鳴らしている。
現地時間5月4日、プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は、米ネバダ州ラスベガス・T-モバイルアリーナでWBA同級1位ラモン・カルデナス(米国)との防衛戦に臨み、8回45秒TKO勝ち。キャリア2度目のダウンを喫しながらもそこから挽回し、プロデビューから30連勝で4度目の防衛を果たした。
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将来的にフェザー級への転向が予想される井上。しかし、米専門メディア『Boxing Scene』が掲載した記事によると、今回の戦いぶりを受け、元世界5階級制覇王者のノニト・ドネア(フィリピン)は、「126ポンド(フェザー級)でも十分に競争力を保つだろうが、より厳しい戦いになるはずだ。彼は122ポンド(スーパーバンタム級)の相手にダウンを喫した」と反応しているという。
その後も、「確かにカルデナスもパンチャーだが、もっと体格の大きい相手、ラフな相手と戦った場合、彼にとって厳しい試合になるかもしれない」と強調し、「階級を上げても彼のパワーが同じように際立つだろうか?」と疑問符。過去に5階級を制してきた自身の経験を踏まえ、井上のフェザー級転向には、やや慎重な見方を持っているようだ。
また、パウンド・フォー・パウンド(PFP)に関しては、「常に彼を(テレンス・)クロフォードや(オレクサンドル・)ウシクの後ろに置いてきた。対戦相手のレベルが違うからだ」と言及。「ウシクやバド(クロフォードの愛称)の経歴を考えれば、彼も間違いなくそこにいるが、彼ら(ウシク、クロフォード)を超えていくとは思わない」と厳しい見解を示していた。
試合後、9月にWBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と対戦することを高らかに宣言した井上だが、はたして今後どのような戦いが見られるだろうか。“モンスター”の一挙手一投足から目が離せない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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