「このタイムはまだまだマキシマムではない」驚速首位のパロウ、2番手山下健太に聞くスーパーフォーミュラ公式合同テスト初日の感触
全20台のニューマシンSF19が揃っての初公式テストとなった、スーパーフォーミュラ第1回合同テスト。初日にタイムシートの上位に並んだのは、新人のアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)、そして2番手にスーパーフォーミュラで3年目のシーズンを迎える山下健太(KONDO RACING)という、フレッシュなふたりだった。
まだまだ最初のテストの初日で、しかも雨上がりからドライに変わるコンディションのため、今日の結果だけで判断するのはもちろん早計だが、その状況にも関わらずマークしたパロウの1分35秒904のトップタイムは衝撃的だった。
フレッシュなふたり、そしてニューマシンSF19の初年度と、2019年のスーパーフォーミュラが新しい勢力図になる雰囲気が漂うなか、当の本人たちはどのような感触で初日を終えたのか。セッション終了後にSF14との比較を含めて聞いた。
●初日総合トップ アレックス・パロウ TCS NAKAJIMA RACING
「今日はとてもいい1日だったね。僕たちのマシンはたくさんの周回を重ねてデータを取ることができたからね。もちろん、最初はウエットコンディションだったけど、午前はロングランを中心にメニューをこなすことができた。午後もダンプコンディションになったけど、終盤はドライに変わっていろいろテストできたし、クルマのインフォメーションもたくさん取ることができた。なにをすべきか、なかなかジャッジするのが難しいセッションだったけど、最後はすごくいいリザルトになったね」
「午後のセッション最後は最初、ミディアムのニュータイヤでアタックして、最後は新品のソフトタイヤでアタックしたよ。1分35秒904のタイムは、まだまだ、マキシマムタイムではないよ。アタックはパーフェクトじゃなかったし、いくつかミスもしているんだ。だから明日のタイムは、もっともっと速くなると思うよ。1分34秒台に入ることができるかもしれないね」
「もちろん、今日のこの結果には満足している。スーパーフォーミュラはテストが少ないし、その最初のテストでこの結果だからね。もし明日も同じようなパフォーマンスを示すことができたら、僕はもっともっとハッピーになるよ。でも、まだまだ、今の時点ではこの後どうなるかわからない。特にミディアム、ソフト、両方のタイヤの特性についてまだまだ把握しきれていない。とはいえ、まずは今日の結果には満足しているよ。走行距離、タイムともにね」
「SF19はSF14に比べて、少しずつ改善されたマシンという印象で、特別、大きな違いを感じていない。フロントタイヤがワイドになったことでブレーキングの部分が良くなっているし、ダウンフォース量も含めて、マシンのいろいろなところが少しずつ良くなっていると思う。鈴鹿のセクター1の感触は、すごく良くなった。それでも今日はまだウエット上がりのコンディションだから、もっとスペシャルなグリップは今後、得られることになるだろうね。いずれにしても、SF19はいいフィーリングのマシンだよ」
■2番手タイムをマークした山下健太(コンドーレーシング)に聞く、SF19の手応え
●初日総合2番手 山下健太 KONDO RACING
「実は僕、1月に富士スピードウェイで行われた「スーパーママチャリGP」でデモランをすることになってSF19を走らせたことがあるので、正確には今回のテストでSF19は2度目になります。1月のときは時はすっごい寒かったので、マシンの感触はよくわかりませんでした(苦笑)。ですので、本格的なテストで走らせたのは今日が初めてです」
「総合タイムは2番手でしたけど、パロウ選手は(スーパーフォーミュラ参戦の)経験がないのにトップタイムですし、全然、最初からもっと行かないとダメかなと思いました。最後のアタックは、昨日のモースポフェスの時にスピンしてクラッシュした時に履いていたソフトタイヤなので、ニュータイヤではなかったです。ですので、タイヤの温まりは良かったですけど、グリップの一番おいしいところはまだあるんじゃないかと、期待しています(笑)」
「アタック自体も僕はソフトタイヤを履いてアタックするのが今日がまったくの初めてだったので(多くのドライバーはモースポフェスの際にソフトタイヤで走行済み)、「すごいグリップするな」と思っていたところで終わってしまいました。ですので、細かいところを合わせ込めば、もう少しはタイムはアップできる感触はあります。明日は路面が良くなれば、1分35秒台はもっと多くのマシンが行くでしょうね」
「SF19は乗っていてS字のコーナリングでもすごく安定していて、ダウンフォースが強いんだろうなと感じます。SF14と比べては、タイヤが幅広になった影響も大きいと思います。鈴鹿ではどのコーナーでも進入速度がSF14より高くて「これで曲がれるかな?」と思うスピードでも普通に曲がることができる。去年まではコーナリング中に切り足しても曲がらなかった部分が、きちんと曲がります。ダウンフォースも強いと思うので、S字の中でも今まで以上にアクセルを踏んでいけます」
「雨上がりの最初のテストの初日ですので、2番手タイムですけどあまり気にしていないですし、個人的には冬のテストで速くても、シーズンに入ったらダメになってしまうというケースがよくあるので、今日速かったのはいいことですけど、まずは開幕に向けてきちんと合わせられるかが重要だと思っています」
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