堕ちた名門は願い託す…キャリアハイ到達のバレンシアFWは“ポスト”ダビド・ビジャになれるのか
サッカーキング2024年3月12日(火)20時32分
チームを牽引するFWウーゴ・ドゥロ [写真]=Getty Images
バレンシアのスペイン人FWウーゴ・ドゥロが、クラブ史上3人目となる『サラ賞』受賞の快挙を達成する可能性があるようだ。
「リム・ゴー・ホーム」。本拠地『メスタージャ』のスタンドに掲げられたプラカードには、堕ちた名門からの復活を願うファンの切実な思いが綴られている。2000年代初頭にラ・リーガを2度、UEFAカップを1度優勝、2年連続でのチャンピオンズリーグ準優勝、さらにその後にはコパ・デル・レイ(国王杯)も制するなど、レアル・マドリード、バルセロナに次ぐ、スペイン第3のクラブとして栄華を極めたバレンシア。だが、2014年の実業家ピーター・リム氏のオーナー就任を境に、凋落の一途を辿り始めた。悪化する経営状況、迷走する監督人事、経営陣と現場の対立、と見る見るうちに坂を転がり落ちていく。2018-19シーズンには国王杯を優勝したものの、タイトルへと導いたマルセリーノ監督を自身の意向に背いたという理由で解任できるぐらいの悪政が敷かれている。財政難による主力選手の売却はあるが、新戦力の獲得には消極的。その果てが昨シーズン、降格圏との勝ち点差がわずか『2』の16位。37年ぶりのセグンダ降格に瀕する事態を招いたのだ。
それでも、今シーズンのバレンシアは、第28節終了時点で8位と健闘している。平均年齢23.8歳とラ・リーガで最も若いチームをまとめるルベン・バラハ監督が手腕を振い、6位レアル・ソシエダとは3ポイント差で、4年ぶりの欧州大会出場権獲得も十分に狙える状況。そして何より、このチームを牽引するのがFWウーゴ・ドゥロだ。クラブ在籍3年目の24歳は、すでにラ・リーガでキャリアハイとなる12得点を記録。前線からの守備も怠らず、味方を鼓舞する精神的な柱にもなりつつある。
名門復活の“カギ”は、この“熱き点取り屋”が握っている。そう思うのは、ウーゴ・ドゥロにダビド・ビジャとロベルト・ソルダードの姿を重ねているからだろうか。2006年に創設された、1シーズンにおけるスペイン人の最多得点者を表彰する『サラ賞』。バレンシアに在籍した選手が計5度受賞しており、クラブ単位ではトップの数字という。その筆頭格は、歴代最多タイとなる4度の受賞を誇るダビド・ビジャである。2005-06シーズンから2009-10シーズンの5年間で4度スペイン人得点王に輝き、2008-09シーズンには脅威の28得点を叩き出していた。
スペイン紙『マルカ』は「砂漠を彷徨う12シーズンの旅は、ウーゴ・ドゥロの姿で終えることになるかもしれない」と綴る。2011-12シーズンのロベルト・ソルダードを最後に、遠ざかっていた『サラ賞』にバレンシアのストライカーが近づいているのだから。今現在、ウーゴ・ドゥロは3位。15得点の1位ボルハ・マジョラルは負傷によりシーズン中の復帰に黄信号で、これ以上の上積みはまずないだろう。ただ、14得点で2位のアルバロ・モラタ、さらに下から11得点のゴルカ・グルセタ、10得点のジェラール・モレノが迫ってきており、終盤戦にかけて熾烈な争いになることは間違いない。
先の2選手が『サラ賞』を獲得したシーズン、バレンシアは3位が3回、4位が1回、6位が1回といずれも好成績を収めている。だからこそ、同選手にかかる期待は大きいのだ。ウーゴ・ドゥロが“ポスト”ダビド・ビジャになったとき、それはバレンシア復活の一歩となるだろう。
「リム・ゴー・ホーム」。本拠地『メスタージャ』のスタンドに掲げられたプラカードには、堕ちた名門からの復活を願うファンの切実な思いが綴られている。2000年代初頭にラ・リーガを2度、UEFAカップを1度優勝、2年連続でのチャンピオンズリーグ準優勝、さらにその後にはコパ・デル・レイ(国王杯)も制するなど、レアル・マドリード、バルセロナに次ぐ、スペイン第3のクラブとして栄華を極めたバレンシア。だが、2014年の実業家ピーター・リム氏のオーナー就任を境に、凋落の一途を辿り始めた。悪化する経営状況、迷走する監督人事、経営陣と現場の対立、と見る見るうちに坂を転がり落ちていく。2018-19シーズンには国王杯を優勝したものの、タイトルへと導いたマルセリーノ監督を自身の意向に背いたという理由で解任できるぐらいの悪政が敷かれている。財政難による主力選手の売却はあるが、新戦力の獲得には消極的。その果てが昨シーズン、降格圏との勝ち点差がわずか『2』の16位。37年ぶりのセグンダ降格に瀕する事態を招いたのだ。
それでも、今シーズンのバレンシアは、第28節終了時点で8位と健闘している。平均年齢23.8歳とラ・リーガで最も若いチームをまとめるルベン・バラハ監督が手腕を振い、6位レアル・ソシエダとは3ポイント差で、4年ぶりの欧州大会出場権獲得も十分に狙える状況。そして何より、このチームを牽引するのがFWウーゴ・ドゥロだ。クラブ在籍3年目の24歳は、すでにラ・リーガでキャリアハイとなる12得点を記録。前線からの守備も怠らず、味方を鼓舞する精神的な柱にもなりつつある。
名門復活の“カギ”は、この“熱き点取り屋”が握っている。そう思うのは、ウーゴ・ドゥロにダビド・ビジャとロベルト・ソルダードの姿を重ねているからだろうか。2006年に創設された、1シーズンにおけるスペイン人の最多得点者を表彰する『サラ賞』。バレンシアに在籍した選手が計5度受賞しており、クラブ単位ではトップの数字という。その筆頭格は、歴代最多タイとなる4度の受賞を誇るダビド・ビジャである。2005-06シーズンから2009-10シーズンの5年間で4度スペイン人得点王に輝き、2008-09シーズンには脅威の28得点を叩き出していた。
スペイン紙『マルカ』は「砂漠を彷徨う12シーズンの旅は、ウーゴ・ドゥロの姿で終えることになるかもしれない」と綴る。2011-12シーズンのロベルト・ソルダードを最後に、遠ざかっていた『サラ賞』にバレンシアのストライカーが近づいているのだから。今現在、ウーゴ・ドゥロは3位。15得点の1位ボルハ・マジョラルは負傷によりシーズン中の復帰に黄信号で、これ以上の上積みはまずないだろう。ただ、14得点で2位のアルバロ・モラタ、さらに下から11得点のゴルカ・グルセタ、10得点のジェラール・モレノが迫ってきており、終盤戦にかけて熾烈な争いになることは間違いない。
先の2選手が『サラ賞』を獲得したシーズン、バレンシアは3位が3回、4位が1回、6位が1回といずれも好成績を収めている。だからこそ、同選手にかかる期待は大きいのだ。ウーゴ・ドゥロが“ポスト”ダビド・ビジャになったとき、それはバレンシア復活の一歩となるだろう。
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