セクター1でラップタイムの大部分を失ったメルセデス。ストレートで代償を払わずにすむ改善策を追求/F1第2戦
メルセデスはF1第2戦サウジアラビアGPの決勝レースで、レッドブル、フェラーリ、マクラーレン、アストンマーティンといった直近のライバルにすべて敗れた後、頭を悩ませながらジェッダを去った。ジョージ・ラッセルは、グリッドポジションを最大限に活用して6位を獲得できたものの、序盤のセーフティカー導入中にステイアウトするというルイス・ハミルトンの賭けは報われなかった。7度の世界チャンピオンは、ルーキーのオリバー・ベアマンと、マクラーレンのドライバーであるランド・ノリスに次ぐ9位でフィニッシュした。
メルセデスのトラックサイドエンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、チームが全体的なパフォーマンスの欠如に少々悩まされていたことを認め、当初の問題は、木曜日のフリー走行でW15のバランスが優れなかったことだと説明した。このことは、ドライバーのリスクを冒そうという意欲に明らかに影響を及ぼしたという。
「これらの非常に速いコーナーでは、ウォールはそれほど遠くにはない。つまり、ドライバーが大きな自信を持ちたいコーナーでは、タイヤに頼り切りだと簡単にオーバーステアになってしまうことがよくあったということだ。それがドライバーにとってどれほど不安なことかは容易に想像できる。それが予選とレースの要因だった」
ラッセルとハミルトンの両方が、セクター1でラップタイムの大部分を失っていることは明らかだった。その理由は、メルセデスがダウンフォースの低いリヤウイングを選択したためだ。これにより理論上は、W15はより優れたレースカーになり、ドライバーはオーバテイクができるようなり、ポジションをしっかり守ることができるようになる。
ショブリンは次のように認めている。
「そのセクターでは、直接のライバルたちとのギャップは約0.3秒または0.4秒だった。それくらいのマージンだった。だがもうひとつ考慮すべきことは、我々はストレートで最速のマシンではないにしても、実際には最速のマシンの1台だったということだ。そのため我々はかなり軽いウイングレベルにあった。そして我々にできたことは、セクター2とセクター3でペースを落とし、セクター1でそのタイムを少し挽回することだっただろう」
「しかし理想を言えば、トップスピードのパフォーマンスを維持し、ただマシンに多くのダウンフォースをかけてストレートでその代償を払う以外に、セクター1を改善する方法を考え出したいと思っている」
ショブリンはまた、セーフティカー導入中にハミルトンをステイアウトさせるというチームの選択を擁護した。ラッセルの後ろで彼がタイヤ交換を待つことになると、さらに犠牲が大きくなったと考えられるからだ。
「後から考えれば、それ(ダブルストップ)は可能だった。だが当時の我々に分からなかったことは、別のインシデントが起こるかどうかということだ。そして、もうひとつ分からなかったことは、タイヤにどれほど耐久性があるかということだった。7周目のセーフティカーは、ちょうど我々が両方のマシンでピットストップするかどうかを決めている段階だった。8周目、9周目だったら、おそらくそうしていただろう」
「ジョージの後ろにいたルイスのマイナス面は、ギャップを作る必要があるがそれが許されないということだ。セーフティカーが走っているときに、ただドライバーをコースに戻すことはできない。もちろん追い越しはできないし、妨害するとペナルティを科せられる。ピットレーンに入ってくるクルマもある。だから、もしジョージをリリースできなかったら、ルイスがそこで立ち往生し、彼がタイムを失うことになるだろうと感じていた」
「しかし、我々はあらゆる可能性に備えていた。もしレースの後半でセーフティカーがもう1回出ていたら、彼がその恩恵を受けることができただろう」
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