フェルナンド・アロンソがオーストラリア最大のレースに参戦か。マクラーレンCEOが示唆
2度のF1ワールドチャンピオンで。WEC世界耐久選手権ではTOYOTA GAZOO Racingとともに2018年のル・マン24時間も制覇、北米のインディ500ではリードラップも記録したフェルナンド・アロンソが、オーストラリア最大のツーリングカーイベントであるバサースト1000に挑戦する可能性が再浮上している。
VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーのシリーズカレンダーで、世界的な名声を誇る名物イベント“バサースト1000”への興味を、かねてから公言してきたアロンソは、2年前からシリーズに本格参戦を開始したウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド(WAU)との密な関係性によって、このマウント・パノラマでの1戦にワイルドカード枠エントリーを果たす可能性が高まっている。
長年ホールデンのワークスチームとして活動してきたウォーキンショー・レーシングに、アンドレッティ・オートスポートとユナイテッド・オートスポーツが資本参入することで、2018年からチームは新たにWAUへと生まれ変わることとなった。
このWAUとアロンソの関係性は、マクラーレンの最高経営責任者を務めるザック・ブラウンの存在によるもので、彼のプロジェクトであるユナイテッド・オートスポーツがチームに参画することで、ブラウン自身もWAUのボードメンバーに名を連ねている。
「昨年も同じ話題を語ったとおり、彼は今でもバサーストにとても興味を持っている」と、F1開幕戦のアルバートパークのパドックで答えたブラウン。
「彼は世界で開催されるモータースポーツのビッグイベントすべてに参戦し、そこで勝利を得たいと願っている。もちろん、バサースト1000もそのうちのひとつなんだ。2019年にマウント・パノラマで走る姿が見られるかどうかは不透明だが、将来的に彼のチャレンジを除外するつもりはまったくないよ」
「彼は今年、デイトナ24時間のチェックボックスに(勝利の)印をつけた。次のメインターゲットがバサースト1000でもなんら不思議はないね」
「彼はスーパーカーのマシンをとてもクールだと言っている。我々の所有する旧型モデルですでにテストを行う予定だったんだが、そのときは燃料切れでドライブする前に終了になってしまったんだ。彼が将来的にWAUのマシンで走る姿を見ても、我々は驚かないだろう」
2017年終盤にスペインのモーターランド・アラゴンで実施されたプライベートテストでは、ブラウンの所有するバサースト1000ウイニングカーのホールデン・コモドアVFが運び込まれ、アロンソが初テストを行う予定となっていたが、直前にステアリングを握ったフィリップ・アルバカーキの走行時点でガソリンを使い果たし、アロンソがトラックを周回することは叶わなかった。
アロンソのバサースト1000参戦は少なくとも2020年まで実現しないとみられているが、チームは引き続き2019年のワイルドカード枠エントリーの可能性を模索している。
すでにWAUはチームのパートナーと計画の推進に向け話し合いを続けており、今季のマウント・パノラマでチームレギュラーのジェームス・コートニー、スコット・パイのラインアップに加わるドライバーには、インディカーのエースでもあるマルコ・アンドレッティが有力視されている。
「我々のチームで走る4人のドライバー全員が、『バサースト1000に出場しないか』と聞かれたら喜んで賛成すると思うよ」と語るのは、WAUの共同オーナーでもあるマイケル・アンドレッティ。
「しかし我々としては、最初に商業的な面から正しい取り組みをする必要があり、その点で誰が最適かの選択をする必要があるだろう。もちろん、その実現に向けて取り組んでいるのは確かだが、現時点ではまだ何も決まっていないんだ」
チームプリンシパルのライアン・ウォーキンショーも「今はその可能性を模索している段階だが、バサースト1000だけでなく3戦のエンデューロ・カップ全戦に起用する計画もある」と付け加えた。
「もし機会を見つけて、耐久カップとして設定される3戦すべてでワイルドカード枠ドライバーを起用できたら最高にワクワクするだろう? もちろん、現時点ではバサースト1000に焦点を当てて、それを成功させることに集中したいと思うが、今年それを成功させられれば2020年にはさらに可能性が開ける。まずは最初の一歩を踏み出してみるとしよう」
また3月初旬に動画チャンネルのコンテンツのひとつとして、元F1ドライバーのルーベンス・バリチェロと特別対談を行ったアロンソは、2014年にそのバリチェロが王座に輝いたブラジルの人気シリーズ、SCBストックカー・ブラジルに関しても「すごくスペクタクルなマシンで、地を這うように低く壮観なレースカーだし、とても興味を持っている」と語った。
このトークセッションでF1時代の思い出話に花を咲かせたふたりは、最後にバリチェロの参戦するSCBでの話題に及んだ際、モービル1の支援を受けるフルタイム・スポーツの11号車を「ドライブしてみないか」と話を振ったことから始まった。
「もし可能なら、ダブルレース(招待ドライバーとレギュラーがペアを組み参戦するシリーズに組み込まれた特別戦)で僕とペアを組んでみないか?」と話すバリチェロに対し、アロンソも「そのアイデアは良いね。僕はあなたがSNSに投稿した映像を見たことがあるだけで、実際のレースそのものは観戦したことがないんだ。もちろん、僕はルーベンスのマシンを試してみたいし、それが実現したら最高だね」と応じている。
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