オープン戦で初マルチ安打の巨人オドーア それでも“物足りなさ”が拭えない理由
阿部監督がオドーアをどう導くか見ものだ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
3月16日に行われた巨人対日本ハム戦では、不振にあえぐ新助っ人・オドーアが復調の兆しを見せた。
試合前はオープン戦の打率.056と低迷していたオドーアだったが、2回のレフト前、4回にライト前のヒットを放つマルチ安打を記録。左右に打ち分ける柔軟な打撃を見せ、さらにはいずれのヒットは日本ハムのエース・加藤貴之から放っており、その内容はとても良い。17日の同カードでは3打数1安打2三振に終わったものの、メジャー通算178本を放ち、シーズン30本塁打以上を3度マークした強力助っ人に当たりが出たのは好材料だ。
【動画】右ストレートが相手選手に炸裂! オドーアの衝撃的な乱闘シーン
とはいえ、オドーアが求められる打撃は、16日の試合で見せたような、 左右に打ち分けるシュアな打撃ではないかもしれない。
オドーアはメジャー通算178本という輝かしい実績を残しているが、通算の出塁率.288、OPS.710に目を向けるとあまり高いとは言えない。実際、最も多い33本塁打を打った2016年の出塁率.296、OPS.798 はホームラン数の割に低い。
これらのデータを鑑みると、 オドーアはボールを見極め、来たボールに柔軟に対応するするタイプとは言い難いだろう。むしろバットをガンガン振り回して一発長打を狙うスタイルで、結果を残してきた選手と言える。
変化球や制球力を巧みに駆使する日本野球に適応するために、柔軟な打撃を身に着けることは必要だ。それでも、オドーアの本来の良さを封じ込めることにつながりかねず、不振に陥らせるリスクもはらんでいる。
巨人は近年、ボランコやウォーカーなどシーズン20本塁打以上を記録した助っ人を頻繁に獲得しており、スカウティングに加えて指導力の高さもうかがえる。首脳陣にはオドーアの本来の良さを生かして、メジャー屈指の長打力が披露できるように導けるだろうか。
本人が日本野球での自信をつかむ意味でも、欲しいのはやはり一発だ。待望のアーチが飛び出すのはいつか。ファンはその瞬間を心待ちにしている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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