【宮田莉朋F2密着】日本での経験が生きたスプリントレース。大きな収穫と課題/第3戦レビュー前編
3月23日(土)にオーストラリア・メルボルン郊外にあるアルバート・パーク・サーキットで開催された2024年FIA F2第3戦のスプリントレースで、宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)は5位に入り、バーレーン・サクヒールでの第1戦に続いて、今シーズン2度目のポイント獲得を果たした。
12番手からスタートした宮田は、スタート直後に発生したクラッシュに巻き込まれることなく、11番手でセーフティーカー(SC)後のレースを再スタート。9周目にチームメイトをパスして10位へポジションアップした。
「チームメートとは絶対に接触してはいけなかったのですが、お互いリスペクトして、いいバトルができたと思います」
その後もレースは10周目に接触事故が発生する波乱の展開に。
「SCが2回も出る荒れた展開となったレースで、ぶつかることなく、しかもいくつかオーバーテイクもして、ポジションを上げてフィニッシュできたことは素直にうれしいです」
7番手で再スタートした宮田はその後もペースを上げ、19周目にはザク・オサリバン(ARTグランプリ/ウイリアムズ育成)をオーバーテイクして6番手でチェッカーフラッグを受けた。
「ターン6の出口でオサリバンが少しコースをはみ出したので、バックストレートで思い切ってオーバーテイクを仕掛けました。あそこで行かなかったら、あとはチャンスはなかったと思うので、うまく行って良かったです」
相手とぶつかることなくバトルできている要因を宮田はこう説明する。
「日本でのレースでの経験が生きていると思います。スーパーフォーミュラでの経験もあるのですが、スーパーGTの経験も大きいと思います。日本人ドライバーは少しリスペクトしすぎると言われるのですが、リスペクトしてもきちんと結果が出せることを証明できて良かったです」
さらにこのスプリントレースでの宮田は、サウジアラビアGPでカルロス・サインツ(フェラーリ)の代役として急遽F1に参戦し入賞を果たしたオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)を含む、FIA F2の強豪たちにもひけをとらない走りが印象的だった。
「彼(ベアマン)が予選で何があったのかわかりませんが、うまく抑えられたし、ビクトール・マルタンス選手(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)も後方からすごい追い上げを見せていましたが、エンジニアからは『ペースはコース上で2番目に速い』と言われていて、(彼らをうまく抑えられた経験は)今後の自信になりました」
レース後、トップチェッカーを受けたアイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)がタイムペナルティを受けたことで宮田は5位に繰り上がった。
「バーレーンでは直前にテストができた中でのポイントですが、今回は45分間のフリー走行だけで結果を出せたことは大きな収穫です。ただ、予選ではまだタイヤのポテンシャルを最大限活かすことができていないので、そこは今後の課題です」
「メディアの方をはじめ日本から応援してくださっているファンの期待が大きく、その期待にはまだ十分応えられていないですが、一歩一歩前進していると思うので、焦らずに今日の経験を次に生かしながら頑張っていきたいと思います」
バトルを繰り広げながら、少しずつトップとの差を縮められたことがすごくポジティブだと語ってフィーチャーレースに臨んだ宮田は、日曜日のアルバート・パークでさらに輝いた走りを見せることになる。
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