ホンダ、0.745秒差の2位「勝利を逃がし悔しいが、競争力の高さを確認できた」と田辺TD【F1第1戦決勝】
2021年F1バーレーンGP決勝で、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは2位、セルジオ・ペレスは5位だった。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は9位を獲得、ピエール・ガスリーはリタイア(17位完走扱い)に終わった。
フェルスタッペンはポールポジションからミディアムタイヤでスタート、2番手を走行するルイス・ハミルトン(メルセデス)をリードして走行する。しかし最初のピットストップの後、先にタイヤ交換を行ったハミルトンの後ろに下がることになり、2回目のピットストップは大幅に遅らせて終盤にオーバーテイクを狙う作戦を採った。ハミルトンより圧倒的に新しいハードタイヤですぐさま追いついたフェルスタッペンは、残り4周の時点でターン4でオーバーテイクし、トップに立つものの、コース外を使ったために、チームの指示でポジションを戻すことに。その後、再度チャンスをうかがうが、一歩およばず、0.745秒差での2位となった。ホンダにとってはこれが通算200回目の表彰台登壇にあたる。
11番グリッドスタートのペレスは、フォーメイションラップ中にマシンの電源がシャットダウンし、ピットレーンスタートに。しかし最後尾から追い上げ、5位を獲得、ファンの投票による『ドライバー・オブ・ザ・デー』を獲得した。
角田は13番グリッドからスタート、最初にポジションを落としたものの、挽回を図り、フェルナンド・アロンソ、セバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネンといった元チャンピオンたちを果敢にオーバーテイクし、入賞圏内へ。最終ラップでランス・ストロールを抜いて、9位に入った。日本人がF1デビュー戦でポイントを獲得するのは史上初めてのこと(日本人ドライバーのデビュー戦最高位は、中嶋悟、中野信治の7位だが、当時のポイントシステムではポイントが得られなかった)。日本人ドライバーがポイントを獲得するのは2012年ブラジルGPの小林可夢偉以来のことだ。
5番グリッドスタートだったガスリーは、序盤にダニエル・リカルド(マクラーレン)と接触し、バーチャルセーフティカー出動下でピットストップし、フロントウイングを交換。最後尾に落ち、ダメージの影響があり、ポジションを上げることができないまま、52周目にリタイアした。
■ホンダF1テクニカルディレクター 田辺豊治
今日のシーズン開幕戦はレッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペン選手がポールポジションからスタートしたものの、残念ながら勝利を逃し2位表彰台獲得に終わりました。勝利を逃したという悔しい思いの一方で、ポールポジション獲得に加え、レースでも終始トップ争いを繰り広げるパフォーマンスを見せられたことをポジティブに捉えています。レースでは、戦略の違いによりハミルトン選手を追いかける展開になり、最後は1秒差以内まで追い詰めたものの、惜しくも届かず2位となりました。
チームメイトのペレス選手は、フォーメイションラップ中の電源シャットダウンによりマシンがコース上でストップ。幸運にも電源が復活し、ピットレーンからスタートすることができました。最後尾からの追い上げにもかかわらず、素晴らしい走りで5位まで順位を上げてフィニッシュしています。今日発生した問題については、車体・PU合わせてこの後解析を行い、再発防止に向けて対応をしていきます。
スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの角田選手は、デビュー戦でいくつものオーバーテイクを見せて、9位入賞を果たしました。うまくタイヤをマネージし、いいレースをしてくれたと思います。
ガスリー選手については序盤の接触が影響し、残念ながら終始後方でのレースになりましたが、アルファタウリの2台は週末を通して速さを見せていました。ホームグランプリとなる次戦もいい走りを見せてくれることを期待しています。
今週末は両チームともに競争力があることを見せてくれました。オフシーズンの間に懸命に開発を進め、新しいPUを送り出してくれたHRD-SakuraとHRD-UKのメンバー、それに素晴らしいマシンを開発してくれたレッドブルとアルファタウリにも感謝の言葉を贈りたいと思います。
今回のレースでのデータを入念に解析し、PUの最適化をすると同時に、問題点や懸案に対しての対応を進め、次戦に臨みたいと思います。
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