レッドブルF1首脳、バーレーンGP敗因のひとつはデフのトラブルと主張
F1関係者の間では昔から、「レーシングドライバーは、自分の思うように物事が進まなかったときはいつでも、『言い訳集』のページを開く」と言われる。彼らは自分のミスや至らなかった点をなんとかして隠そうと、さまざまなパターンの説明を行うのだ。レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、ドライバー生活から引退して50年ほどになるが、『言い訳集』の存在を忘れていなかったようだ。彼は、それを使ってF1バーレーンGPでマックス・フェルスタッペンが敗れた理由をあらゆる角度から説明しようと試みている。
フェルスタッペンは、予選でルイス・ハミルトンに約0.4秒の差をつけてポールポジションを獲得、決勝スタート後もリードを維持した。この時点では彼の勝利は間違いないように思われた。ところがフェルスタッペンは、1回目のピットストップのタイミングが訪れるころまでにハミルトンとのギャップを広げることができず、アンダーカットを許し、リードを奪われ、最後までそれを取り戻すことができなかった。
バーレーンGPの翌週、マルコはレッドブル・ホンダは敗れたものの、実際にはどれほど強力だったかを説明しようとした。ドイツのウェブサイト『Formel1.de』のインタビューにおいて、彼は、予選では本来ならメルセデスにもっと大きなタイム差をつけることが可能だったと主張している。
「予選Q1でマックスはワイドになり、フロアの一部が欠けてしまった。パーツが飛ぶところは誰もが見たはずだ」とマルコ。
「その結果、ダウンフォースの8パーセントを失ったのではないかと思う」
マシン下部のほんの小さなパーツがパッケージ全体のパフォーマンスに及ぼす影響について、マルコは極めて甘く見積もっている。Q2とQ3でフェルスタッペンのマシンが完璧な状態でなかったことは確かだが、彼自身は冷静に「0.1秒ぐらいは失ったかもしれないけれど、それほど大きな影響はなかった」と語っている。
決勝でレッドブルが勝利を収めることができなかった理由については、マルコは次のように語った。
「レース序盤にデファレンシャルに問題があった。その結果、セクター1で大量のタイムを失った。1周あたり0.3秒をロスしたのだ。そのため、第1スティントで、アンダーカットを阻止できるだけのリードを築くことができなかった」
「一時リードは2.5秒だったが、デファレンシャルの問題によってギャップは1.7秒ほどに縮まった。それが第1スティントを左右することになった。不利な状況で戦っていたわけだ」
実際は第1スティントでフェルスタッペンとハミルトンの間にできた最大のギャップは9周目終わりの1.940秒で、次の3周でそれが0.2秒縮められ、1.726秒になった。その1周後の13周目にハミルトンはピットストップを行い、DRSの力を借りてカルロス・サインツJr.のフェラーリを抜いた後は、目の前に誰もいない状態で走ることができた。
第1スティントでフェルスタッペンが問題を訴えていたのは事実だが、レース後にそれについて尋ねられると、その影響は致命的なものではなかったと彼は答えている。
「何が起きていたのか分からないけれど、加速すると、リヤの片側がホイールスピンを起こした。もちろん理想的な状態ではなかった。でもこの問題に対応しながら走ることはできたよ」
クリスチャン・ホーナー代表は、レース後のインタビューでチームの戦略について弁護、チーフエンジニアのポール・モナハンも、レッドブルはうまく戦えば勝てたはずだという見方を必死に否定している。今回、パワーユニット(PU/エンジン)を供給するホンダ側は勝利をつかむために完璧な仕事をした。マルコをはじめとするチーム首脳陣は、内心はこの敗北に引け目を感じ、パートナーのホンダに対して言い訳をしているようにも見える。
(Grandprix.com)
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