水原騒動が浮き彫りにした大谷翔平の“金銭感覚” 米記者たちが批判する陣営の隙「オオタニのナイーブさは批判すべき」
水原容疑者の裏切り行為に気づけなかった大谷。そのスキャンダルはいまだ衝撃を広げている。(C)Getty Images
おそらく誰もが耳を疑ったスキャンダルだった。現地時間4月11日に米連邦捜査局など司法当局から「銀行詐欺罪」で追訴された水原一平容疑者が手を染めていた違法賭博問題だ。
検察側による37ページに及んだ訴状が真実を次々と明らかにした。
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水原容疑者は自身が抱えた負債を支払うため、2018年から専属通訳契約を締結していた大谷翔平(ドジャース)や周辺関係者の“信用”を利用。違法賭博に興じ始めたとされる21年12月からの約2年間に、同選手の給与口座から1600万ドル(約24億5000万円)もの資金を胴元に不正送金していた。
口座を利用するために同容疑者が大谷になりすまして口座の設定を変えていたという手口の悪質さ、さらに総損失額1億8290万ドル(約279億8370万円)というギャンブルのスケールもあって、お茶の間は騒然となった。
世間で「名通訳」あるいは「大スターの盟友」と見られていた人物の裏切り行為だった。それだけに、不正に気づけなかった大谷にも批判的な目は向けられた。
米スポーツ専門局『FOX Sports』のディーシャ・トーサル記者は、「このスキャンダルは、オオタニの金銭感覚がいかに甘かったかを浮き彫りにし、彼の生活がどのように管理されていたかを疑問視させるものだ」と指摘する。
さらに米スポーツ専門局『ESPN』の敏腕記者であるジェフ・パッサン記者は米ポッドキャスト番組『The Rich Eisen Show』に出演した際に、「オオタニとミズハラのメールのやりとりの中で、オオタニがギャンブルに関して何かを知っていたとの痕跡は全くなかった」と大谷の潔白という見方を支持。そのうえで、大谷側にあった“問題点”をしっかりと指摘している。
「訴状を読んでもなお彼を批判したいのであれば、オオタニらのナイーブさは批判すべきだ。間違った人間に囲まれている、あるいは囲まれていたということは批判できる。オオタニはあれほどの多額の収入を得る際に必要な財務知識を持っていなかったんだ」
すでに潔白が証明された大谷本人は、野球に専念できる日常を取り戻しつつある。ただ、裏切りを許してしまう“隙”を生んだ関係者の対応に対する批判はしばらく続きそうな気配だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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