ジェンソン・バトン率いるJBXEがドライバーチェンジ。第2戦はケビン・ハンセンを起用
5月29〜30日に西アフリカ・セネガル沿岸のダカール近郊、ラックローズで開催される電動ワンメイクSUVによるオフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』第2戦に向け、元F1王者ジェンソン・バトン率いるJBXEがドライバーチェンジを発表。
ワンメイク車両『ODYSSEY 21(オデッセイ21)』の初期開発にも携わったWorldRX世界ラリークロス選手権レギュラー、ケビン・ハンセンがこの週末の“Ocean X Prix”でステアリングを握り、バトンはチーム代表の職務に専念するという。
2021年に初年度開催を迎えたエクストリームEシリーズは、その記念すべき開幕戦で2016年のF1ワールドチャンピオン、ニコ・ ロズベルグ率いるRosberg X Racing(ロズベルグ・Xレーシング/RXR)が勝利。WorldRX3冠王者ヨハン・クリストファーソンと、元オーストラリア・ラリー選手権チャンピオンのモリー・テイラー組が初代勝者に輝いた。
そんなWorldRXでのライバルに並びシリーズ参入が決まったケビンは、2019年からエクストリームEが主宰する有力候補リスト“Drivers’ Programme(ドライバーズ・プログラム)”にも名を連ねており、今回JBXEでペアを組むSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権優勝経験者のミカエラ-アーリン ・コチュリンスキーや、実兄で2019年のWorldRX王者でもあるティミー・ハンセン(アンドレッティ・ユナイテッド所属)らとフランス・シャトーラストゥールでの初期車両開発にも参加してきた。
2015年にRX2のタイトルを獲得し、翌年にはEuroRX欧州ラリークロス選手権で史上最年少のルーキー・オブ・ザ・イヤーにも輝いた逸材にとっては、このセネガル戦で満を持してのシリーズデビューとなる。
サウジアラビアの開幕戦ではエースドライバー兼チームプリンシパルも務めたバトンは、週末に迫る“Ocean X Prix”で自らのドライバーズシートを譲ることに際し「第2戦のセネガルに向け、ケビン・ハンセンがJBXEで競う機会が生まれたことを発表でき、本当にうれしく思う」と期待を寄せた。
「シリーズ開幕に向けての準備を含め、僕はドライバーとチームオーナーという2種類の帽子を被ってきた。とくに後者に関しては、このレースのためにケビンを僕らのマシンに乗せる素地と機会があったことを意味する」と続けたバトン。
■「大きなチャンス」と意気込むケビン・ハンセン
「もちろん、彼はWorldRX王者ティミー・ハンセンの兄弟であり、ラリークロスの伝説であるケネス・ハンセンの息子でもある。彼らは素晴らしい血統を持っており、この若さでありながら、すでにラリークロスの世界で多くのことを成し遂げてきた」
「エキサイティングなスタイルのドライバーだし、彼がセネガルでJBXEを代表して戦ってくれる瞬間が待ち遠しいね。僕自身は、続くグリーンランド戦(8月28〜29日/Arctic X Prix)で再びステアリングを握るのを楽しみにしている」
そんなバトン率いるチームからエクストリームE参戦が決まったハンセン家の次男は、自らのキャリアでも「これは大きなチャンスだ」と意気込む。
「F1世界チャンピオンのジェンソン・バトンと、彼のJBXEチームからエクストリームEに参加できることをとてもうれしく思う。僕は最初からこのクルマの開発プログラムに深く関与していて、昨年のアラゴンまでテストドライブを担当してきた。だからこそ、ジェンソンとともにこの機会を得るのは素晴らしいことだよ」と続けるケビン。
「それにミカエラと組めるのも楽しみだ。彼女はチャンピオンシップで最強のドライバーのひとりであり、旧知の仲でもある。テストでも長い時間を共有したし、セネガルでは一緒に強力な戦果を挙げられると期待しているんだ」
そのレースウイークを前に地元スウェーデンでケビンとドライビング・セッションを持ったミカエラも、チームメイトとして「素晴らしいコラボレーションになる」と抱負を語った。
「私たちは10歳になるかならないかの頃からお互いを知っていて、スウェーデン代表チームで一緒にレースをし、ここ数年はオデッセイ21の開発に協力してきた。ラリークロスでも実際に競い合ったし、ケビンと一緒に良い結果が出せるのを楽しみにしている」
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