【インタビュー】世界一を経験、岩清水梓が展望する女子W杯 優勝へのポイントは「相手の土俵に上がらない」
サッカーキング2019年6月10日(月)18時1分
6月7日にFIFA女子ワールドカップ フランス2019が開幕する。サッカー日本女子代表、通称:なでしこジャパンも出場し、2011年ドイツ大会以来の頂点を狙う。今回、そのドイツ大会の優勝メンバーでもある、日テレ・ベレーザDF岩清水梓がワールドカップでの戦い方や見どころなどを語ってくれた。
―――最初に、FIFA女子ワールドカップの位置づけを教えてください。
岩清水 これまで女子サッカーのメインとなる大会はオリンピックだったと思います。でも、日本が2011年のワールドカップで優勝したことによって認知度も上がり、皆さんに知ってもらうことができました。ワールドカップの価値が以前より上がったことは間違いないと思います。
―――2011年のドイツ大会では優勝、2015年のカナダ大会では準優勝。なでしこジャパンが女子サッカー界をリードする立場になったと言えます。
岩清水 優勝を経験したチームになったことで追われる立場、視察される側になったのは事実です。ドイツ大会で優勝した3カ月後に、まだ出場権を獲得していないロンドン・オリンピックの予選があったんです。その時、「アジアで負けてはいけない」って思えていたのはワールドカップで優勝したからです。ロンドン・オリンピックの本大会でもプレッシャーは大きかったです。準優勝でしたが、注目されながらもあそこまで勝ち進めて結果を出せたのは、プレッシャーを力に変えられていたからだと感じます。
―――チャンピオンエンブレムが付いたユニフォームは重かったですか?
岩清水 今でこそ、チャンピオンエンブレムを付けてプレーできていたのは価値あることだと思いますが、当時は正直重かったですね。負けられないプレッシャーを今までにないくらい感じていました。
―――女子サッカーの魅力とは何でしょうか。
岩清水 男子サッカーよりも運動量の多さがあると思います。男子の場合は、逆サイドまでボールが届きますが、女子の場合はキックの飛距離が短い分、逆サイドに持っていくのも、人を経由しなくてはいけないんです。だから、自然と連携したプレーが多くなります。そういった細かいプレーが多くなるので、男子に負けないくらい足元の技術が高い選手がたくさんいます。
―――岩清水選手が所属している日テレ・ベレーザには多くの代表選手がいます。
岩清水 日テレ・ベレーザの選手が多くピッチに出ると、クラブで実践している攻撃パターンが代表で出る場面もあります。代表は色々なチームのやり方をまとめることが難しい部分もありますが、1つのチームから多くの選手が出れば、できることとも多くなると思います。2011年の優勝メンバーもINAC神戸レオネッサの選手が多かったですが、元ベレーザのメンバーが多くて澤(穂希)さん、近ちゃん(近賀ゆかり)、(大野)忍ちゃん、永里(優季)、(宮間)あやもメニーナ育ちだし……。イメージを共有できる選手たちがピッチに多くいることは良いことだと思います。
―――日テレ・ベレーザと今の代表は非常にリンクするイメージがあります。
岩清水 贔屓目に喋ってしまうと、ベレーザのサッカーができれば強いと思います。
―――昨シーズンのベレーザはリーグ優勝、リーグ杯優勝、皇后杯優勝と三冠を成し遂げました。
岩清水 リーグを制覇した自負があるので、自分たちのサッカーを信じているし、それができれば世界と戦えると思っている選手がたくさんいると思います。だから、ベレーザのサッカーを良い意味で落とし込めれば、フランス大会でも上位に食い込めると思います。
―――本大会のグループステージはイングランド、スコットランド、アルゼンチンと同組です。グループリーグの展望をお願いします。
岩清水 戦う順番はすごく大事なんです。しかも初戦はすごく難しい。お互いに勝ち点が欲しいので、いつも勝っている相手でも苦戦するのは珍しくないんです。でも初戦のアルゼンチンは、足元の技術が高い印象ですが、DFラインにウィークポイントがあるので、日本が得意とする連動性のあるパスサッカーができれば難しい相手ではないと思います。できれば、最終戦のイングランド戦を残してグループステージ突破を決めてしまいたいですね。当たる順番は良いと思うので。
―――日本が勝ち進んでいくために必要なことは何でしょう。
岩清水 相手の土俵に上がらないことです。スピード勝負に付き合ってしまう、大きい相手に高さやロングボールを多用してしまう、といった相手のストロングな部分を引き出してしまう戦い方をしないことは、ワールドカップを戦う上で必要です。日本のスタイルで勝ちにいかないと良い結果には繋がらないと思います。連携を深めて12人にも13人にも見えるサッカーをしてほしいと思いますね。
―――今大会、日本以外で注目チームはありますか?
岩清水 開催国のフランスです。技術とスピードがあり、自国開催としてすごく良い準備をして完成度の高いチームに仕上げてきていると思います。見ていてワクワクするチームです。日本と当たるまでは楽しみですね。あとは、大本命のアメリカ。決勝へ行くことが約束されているほどの実力があるので、本当にファイナルまで勝ち進むことができるのか注目しています。
―――注目選手はいかがでしょう
岩清水 私がマッチアップしていたアメリカ代表FWアレックス・モーガン選手。正直、あの選手しか覚えてないくらい化け物でした。速いし、シュートレンジ広いし、上手いし……。そして、とてもキレイ!プレー中に見ちゃいますよ。そのくらいキレイ。モデルさんって感じです。それなのにサッカーも上手いなんてホントにずるい(笑)。
―――今年3月には2023年のワールドカップ開催地に日本が立候補しました。自国開催へ向けて、追い風が吹けばいいですね。
岩清水 今のなでしこジャパンはU-17(2014年コスタリカ大会)、U-20(2018年フランス大会)のワールドカップで優勝している世代なので、強いメンタルを持って優勝することを本気で考えている世代です。劣勢になったときが少し心配だけど、常に勝ってきた世代なので、大会の空気にのまれず、自分たちのサッカーができれば結果を出すことは難しくないと思います。
取材協力/写真提供:J SPORTS
―――最初に、FIFA女子ワールドカップの位置づけを教えてください。
岩清水 これまで女子サッカーのメインとなる大会はオリンピックだったと思います。でも、日本が2011年のワールドカップで優勝したことによって認知度も上がり、皆さんに知ってもらうことができました。ワールドカップの価値が以前より上がったことは間違いないと思います。
―――2011年のドイツ大会では優勝、2015年のカナダ大会では準優勝。なでしこジャパンが女子サッカー界をリードする立場になったと言えます。
岩清水 優勝を経験したチームになったことで追われる立場、視察される側になったのは事実です。ドイツ大会で優勝した3カ月後に、まだ出場権を獲得していないロンドン・オリンピックの予選があったんです。その時、「アジアで負けてはいけない」って思えていたのはワールドカップで優勝したからです。ロンドン・オリンピックの本大会でもプレッシャーは大きかったです。準優勝でしたが、注目されながらもあそこまで勝ち進めて結果を出せたのは、プレッシャーを力に変えられていたからだと感じます。
―――チャンピオンエンブレムが付いたユニフォームは重かったですか?
岩清水 今でこそ、チャンピオンエンブレムを付けてプレーできていたのは価値あることだと思いますが、当時は正直重かったですね。負けられないプレッシャーを今までにないくらい感じていました。
―――女子サッカーの魅力とは何でしょうか。
岩清水 男子サッカーよりも運動量の多さがあると思います。男子の場合は、逆サイドまでボールが届きますが、女子の場合はキックの飛距離が短い分、逆サイドに持っていくのも、人を経由しなくてはいけないんです。だから、自然と連携したプレーが多くなります。そういった細かいプレーが多くなるので、男子に負けないくらい足元の技術が高い選手がたくさんいます。
―――岩清水選手が所属している日テレ・ベレーザには多くの代表選手がいます。
岩清水 日テレ・ベレーザの選手が多くピッチに出ると、クラブで実践している攻撃パターンが代表で出る場面もあります。代表は色々なチームのやり方をまとめることが難しい部分もありますが、1つのチームから多くの選手が出れば、できることとも多くなると思います。2011年の優勝メンバーもINAC神戸レオネッサの選手が多かったですが、元ベレーザのメンバーが多くて澤(穂希)さん、近ちゃん(近賀ゆかり)、(大野)忍ちゃん、永里(優季)、(宮間)あやもメニーナ育ちだし……。イメージを共有できる選手たちがピッチに多くいることは良いことだと思います。
―――日テレ・ベレーザと今の代表は非常にリンクするイメージがあります。
岩清水 贔屓目に喋ってしまうと、ベレーザのサッカーができれば強いと思います。
―――昨シーズンのベレーザはリーグ優勝、リーグ杯優勝、皇后杯優勝と三冠を成し遂げました。
岩清水 リーグを制覇した自負があるので、自分たちのサッカーを信じているし、それができれば世界と戦えると思っている選手がたくさんいると思います。だから、ベレーザのサッカーを良い意味で落とし込めれば、フランス大会でも上位に食い込めると思います。
―――本大会のグループステージはイングランド、スコットランド、アルゼンチンと同組です。グループリーグの展望をお願いします。
岩清水 戦う順番はすごく大事なんです。しかも初戦はすごく難しい。お互いに勝ち点が欲しいので、いつも勝っている相手でも苦戦するのは珍しくないんです。でも初戦のアルゼンチンは、足元の技術が高い印象ですが、DFラインにウィークポイントがあるので、日本が得意とする連動性のあるパスサッカーができれば難しい相手ではないと思います。できれば、最終戦のイングランド戦を残してグループステージ突破を決めてしまいたいですね。当たる順番は良いと思うので。
―――日本が勝ち進んでいくために必要なことは何でしょう。
岩清水 相手の土俵に上がらないことです。スピード勝負に付き合ってしまう、大きい相手に高さやロングボールを多用してしまう、といった相手のストロングな部分を引き出してしまう戦い方をしないことは、ワールドカップを戦う上で必要です。日本のスタイルで勝ちにいかないと良い結果には繋がらないと思います。連携を深めて12人にも13人にも見えるサッカーをしてほしいと思いますね。
―――今大会、日本以外で注目チームはありますか?
岩清水 開催国のフランスです。技術とスピードがあり、自国開催としてすごく良い準備をして完成度の高いチームに仕上げてきていると思います。見ていてワクワクするチームです。日本と当たるまでは楽しみですね。あとは、大本命のアメリカ。決勝へ行くことが約束されているほどの実力があるので、本当にファイナルまで勝ち進むことができるのか注目しています。
―――注目選手はいかがでしょう
岩清水 私がマッチアップしていたアメリカ代表FWアレックス・モーガン選手。正直、あの選手しか覚えてないくらい化け物でした。速いし、シュートレンジ広いし、上手いし……。そして、とてもキレイ!プレー中に見ちゃいますよ。そのくらいキレイ。モデルさんって感じです。それなのにサッカーも上手いなんてホントにずるい(笑)。
―――今年3月には2023年のワールドカップ開催地に日本が立候補しました。自国開催へ向けて、追い風が吹けばいいですね。
岩清水 今のなでしこジャパンはU-17(2014年コスタリカ大会)、U-20(2018年フランス大会)のワールドカップで優勝している世代なので、強いメンタルを持って優勝することを本気で考えている世代です。劣勢になったときが少し心配だけど、常に勝ってきた世代なので、大会の空気にのまれず、自分たちのサッカーができれば結果を出すことは難しくないと思います。
取材協力/写真提供:J SPORTS
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