メルセデスF1、苦戦のなかで問題解決の糸口をつかむ「フランスまでに対策を講じ、痛みを乗り越えたい」
F1第6戦アゼルバイジャンGPでW12の速さを引き出すことができず、ノーポイントに終わったメルセデスチームだが、この週末のなかで問題解決の糸口を見出したと、テクノロジーディレクターのマイク・エリオットは述べている。
エリオットはメルセデスのYoutubeチャンネルにおいて、アゼルバイジャンGPについての報告を行うなかで、時間的な問題で決勝までに必要な対策を講じることができなかったものの、シーズン序盤にW12が示してきた低速セクションにおける弱点を克服するためのきっかけをつかんだと明かした。
「バクーの週末を前に、自分たちが問題に直面するだろうことは予想していた。ただ、金曜FP2の位置(11番手と16番手)は全く予測していなかった」とエリオットは語る。ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスは、タイヤのウォームアップにてこずり、グリップ不足に苦しみ続けた。
「理解を深めるためのテストを実施し、いくつかのセオリーを導き出した。そのひとつは非常に期待が持てるものだ。残念ながらテストを行ったのはFP3になってからであり、ロングランを終えた後だった。そのため、予選ではいいペースを見出したものの、レース週末全体およびレース自体に向けての最適なセットアップを仕上げることができなかったと思う」
今年のF1ではフリープラクティスが90分から60分に短縮された。その影響でメルセデスは、予選と決勝の両方を考慮したベストのセットアップを見つけ出せるだけの走行を実施することができなかった。しかし次戦フランスGPに向けて、チームはテストリグとシミュレーターを利用して解決法を探っていく。ポール・リカールは中速・高速コーナーが中心のサーキットではあるが、ロングストレートの直前に配置されている低速コーナーも重要となる。
エリオットは「実施した変更によってセットアップをどのように築き上げていくのか、それを将来、類似した問題を抱えるだろうレースウイークエンドにどのように活用するのかを調べる必要がある」と語っている。
「さらに留意しておくべきなのは、バクーとモナコはおそらく例外的なケースであるということだ。今後の数戦では同じ問題に直面しないことを願っている。今後は状況が改善するよう祈る」
エリオットは、ブラックリーのファクトリーに戻った時のチームの雰囲気は非常に重苦しかったと認めた。
「皆さんが予想しているとおり、我々はこの(バクーの)週末に痛みを感じている。それは当然のことだ」
「問題を正す機会を得るまでは、その痛みを乗り越えることはできないだろう。その機会が訪れるのが次戦フランスであることを願っている」
「このスポーツでは、時にはこういう週末があるということは理解している。重要なのは、そこからどう立ち直るかだ。どのようにしてこの経験から痛みを感じ、それを学びのためのポジティブなエネルギーに変えるか。できるだけ多くのことを学びとり、それを将来のパフォーマンスに生かすにはどうすべきかが重要だ。我々はそのことに集中していく」
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