ピレリF1がトラブルの調査結果を発表。タイヤに欠陥なし、チームの使い方をより厳格に監視へ
F1公式タイヤサプライヤーのピレリは、第6戦アゼルバイジャンGPで発生したタイヤトラブルについての調査結果を発表した。タイヤの製造上、品質上の欠陥はなかったということで、今後、FIAと協力して予防策を講じることを明らかにした。
アゼルバイジャンGP決勝でアストンマーティンのランス・ストロールが、ピットエントリー近くでタイヤが破損したことでスピン、ウォールにクラッシュした。その後、レースをリードしていたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンも、メインストレートで同様の状況に陥った。幸いこれらのアクシデントでけが人は出なかった。
レース直後、ピレリはデブリが原因の可能性があるとの見解を示していた。しかし6月15日に発表された調査結果では、デブリについては触れられていなかった。ピレリは、チームはピレリの指定するスタート時の内圧等を守っていたと認める一方で、タイヤの走らせ方に問題があった可能性があるとして、今後、新たなプロトコルを定めることでFIAとの間で合意したと発表した。F1は、この新プロトコルは次戦フランスGPから施行されるとしている。
「ピレリは、FIAとの協力のもと、アゼルバイジャンGPでランス・ストロールとマックス・フェルスタッペンに起きたインシデントに関わる左リヤタイヤの分析を完了した」とピレリのリリースには記されている。
「この分析は、同レース中に他のマシンが使用したタイヤも対象とした。分析を行ったのは、ダメージを受けたタイヤと同じかそれ以上の周回数にわたり使用されたものである」
「このプロセスにより、いずれのタイヤにも製造上の欠陥や品質上の欠陥はなく、疲労やデラミネーション(トレッドの剥離)の兆候も見られなかったことが明らかになった」
「アストンマーティンとレッドブルの2台の左リヤタイヤの故障の原因は、明確に特定されている。いずれの場合も、規定のスタートパラメーター(最低内圧、ブランケットの最高温度)が守られていたにもかかわらず、インナーサイドウォールに円周状の破損が起きたことが原因であり、これはタイヤの走行状態に関係している可能性がある」
「この分析の結果、ピレリはFIAと各チームに報告書を提出した。FIAとピレリは、レースウイーク中の稼働状態を監視するための新たなプロトコルの導入に合意、すでに技術指令書の改訂版を配布済みである。さらに今後、その他の適切な措置を検討していく」
BBCは、多数のチームが、スタート前に規定された内圧を守りながら、走行中に内圧上昇を抑える手だてを見つけ出していると伝えている。ピレリは、走行中に内圧が一定量上昇することを想定し、それを踏まえてスタート時の数値を設定しているが、ピレリの推定より低い内圧でタイヤが使用された場合、安全面に懸念が生じることになる。
ピレリは今後、走行終了後のタイヤの最低内圧を設定し、レースウイークエンドを通してランダムにタイヤのチェックを行うと、BBCは伝えている。
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