【角田裕毅F1第13戦分析】タイヤ選択はエンジニアに任せ、ドライビングに集中。Q2敗退も最後のアタックに満足
スプリント・フォーマットで開催されているF1第13戦ベルギーGP。初日に行われた予選を終えて、ミックスゾーンにやってくる角田裕毅(アルファタウリ)の表情は5日前とは異なり、明るかった。
予選は雨が止み、10分遅れで午後5時10分から開始された。Q1は全車インターミディエイトタイヤを装着してのタイムアタック合戦となった。そんななか、角田は最後のアタックでQ1脱落圏からトップ10にジャンプアップして、Q1突破を決めた。
Q2に入ると、路面は走行ラインが徐々に乾きだす。最後の数分でのタイムアタックをどのタイヤで走るかが勝負の分かれ目となった。
Q2の1セット目のタイヤ(インターミディエイト)でのアタックを終えてピットインする角田に対して、レースエンジニアのマティア・スピニは「路面状況を教えてくれ」と尋ねると、角田は「まだドライには早すぎる」と答えていた。
そんななか、ピットインした角田にスピニは、ドライ(ソフト)タイヤを装着するよう、メカニックに命じる。前戦ハンガリーGPに続いて、またも「謎の戦略か!?」と思ったが、角田はそれに動じることなく、冷静にタイヤ交換が完了するのを待って、ピットアウトした。
「タイヤに関してはエンジニアの方が周りの状況を見て総合的に判断できるので、僕はドライビングに集中して判断は任せるというスタンスは変えませんでした」
前戦ハンガリーGPでは「謎の戦略」に対して、角田は明らかに納得していない様子だったが、ベルギーGPに臨むにあたって、その辺はクリアになったのだろうか?
「クリアになったというか、年間24戦もあれば、ああいうこともあるという感じで、引きずらずに、リセットして臨んでいるだけです」
こうしてソフトタイヤでアタックを開始した角田は、2番手に躍り出る。しかし、角田の後からアタックを開始していたドライバーが路面がより乾いた状況でタイムアップしていったため、最終的に角田は11番手に終わった。
残念ながらQ3に進出できなかったが、角田は納得した表情でミックスゾーンにやってきた。
「自分のなかではいいラップだったと思っています。最後に逆転されたのは、僕よりも後からアタックを開始して路面がよりドライになっていったなかでタイムを更新したドライバーなので、あの時点では自分ができることはすべてやったと思っています」
ハンガリーGPまでの悪い流れを断つ、いい予選だった。
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