【角田裕毅F1第13戦分析】原因不明のリヤの挙動に悩まされたスプリントは18番手「危うくクラッシュするところだった」
F1第13戦ハンガリーGP金曜日の予選で11番手を獲得した角田裕毅(アルファタウリ)。予選後の囲み取材では、「正直、予想していませんでした」と11番手という結果を喜びつつも、予想していなかったという理由を次のようにコメントしていた。
「というのも、今回僕たちが持ち込んだウイングは薄っぺらくて、そういう空力の仕様で雨のなかを走るのは結構難しいからです」
ベルギーGPは金曜日に続いて、土曜日も雨が降ったり止んだりする、典型的なスパウェザーの1日となった。12時から開始される予定だったスプリント・シュートアウトも直前に降り出した豪雨によって、35分遅れでスタートした。路面はウェットコンディション。角田の言う「薄っぺら」のウイング向きのコンディションではなかった。
この状況のなかで、角田はSQ1の最初のアタックでアンダーステアに苦しんだ。その状況を見て、エンジニアがフロントタイヤを温めるよう指示を出すが、フロントタイヤをアウトラップで適正な温度まで上げて行った最後のアタックでも、ひどいアンダーステアに悩まされた。
最後のアタックでなんとか自己ベストを更新して、一時は12番手となった角田だが、その後からタイムアタックをしていたドライバーたちが大幅にタイムを更新していったため、16番手に終わり、SQ1で敗退した。
「アンダーステアがひどくて、まとめきれなかったという感じです」(角田)
16番手からスタートすることとなったスプリント。直前に行われたF2のレース1はドライタイヤでのレースで、F1のスプリントもグリッド上ではドライタイヤを準備して、スタートの時を待った。
ところが、フォーメーションラップがスタートする数分前になって、サーキット上空を雨雲が覆い、豪雨に見舞われたため、スタートは遅延となった。もともと35分遅れで進行していたレースは、さらに30分遅れて、午後5時35分にセーフティーカー先導で全車ウエットタイヤでフォーメーションラップを開始することとなった。
さらに前車からの水しぶきによって多くのドライバーが視界不良を訴えていたため、セーフティーカー先導によるフォーメーションラップを4周行った後、ローリング形式でスタートが切られることになった。
そのフォーメーションラップの最終周の最終コーナーへのブレーキングで、角田はスピン。最後尾に脱落する。
「ブレーキングの時にリヤが完全にロックしてスピンして、危うくクラッシュするところでした」と語る角田は、その後も「リヤが何か問題でもあるようなおかしな挙動をしていた」と本来の走りができない。それはまるでマシンに何か問題でも起きたような症状だった。
「原因はいまのところわかりません。僕のドライビングが悪いだけで、クルマに問題がないことをいまは祈りますが、それだけとは思えないほどリヤがおかしかった……」と言う角田。最後は「日曜日のレースのことを考えて、とにかくクルマを無事にピットまで返すことだけを考えて走っていた」という状況で、18番手でフィニッシュするのが精一杯だった。
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