「表彰台では視界全体が少しかすんで見えた」体調不良を訴えたハミルトン、コロナ後遺症を懸念/F1第11戦
メルセデスのルイス・ハミルトンは、8月1日に行われたF1第11戦ハンガリーGP決勝の過酷なレースを戦い抜いた後、めまいや目のかすみを感じたとして、新型コロナウイルス感染症(COVIED-19)の後遺症を懸念していると明かした。
決勝レースではリスタート後に最後尾からの追い上げで3位(修正版のリザルトでは2位)に入賞したものの、その後のハミルトンは見るからに疲労困憊していた。ハミルトンはレース後のFIA公式記者会見に遅れて登壇し、表彰式の最中に体調不良を感じたことからメルセデスのチームドクターに相談していたと記者たちに説明した。
「本当にひどいめまいだった。表彰台に立っているとき、視界全体が少しかすんで見えた」とハミルトンは語った。
「もしかしたら水分補給が必要だったのかもしれない。だけど、今までこんな経験をしたことはなかったよ。シルバーストンで似た経験はしたけれど、今回の方がはるかにひどかった」
「終わったあとはとにかく疲れきっていた。これまでに表彰台の上で経験したなかでも最も不思議な状態だった」
ハミルトンによれば、これは昨年12月にF1第16戦サクヒールGPの欠場を余儀なくされて以降現在も続く、新型コロナウイルスとの戦いの影響かもしれないという。サクヒールGP前にCOVID-19の陽性判定を受けたハミルトンの代役は、ウイリアムズのジョージ・ラッセルが務めた。シーズン最終戦アブダビGPからはレースに復帰しているものの、ハミルトンは完全に回復したのか確信を持てなくなっている。
「昨年の終わりにあんなことが起きてしまったので、今年はずっと自分の健康状態を保とうと努力してきた。そして今もその戦いは続いている。特にこの問題について誰かと話したわけではないけれど、まだ長く続くと思っている」
「感染したときの状態は覚えているよ。それ以来、トレーニング方法を変えた。疲労の度合いも以前とは違っている。これは難しい闘いだ」
「自分にできる最良のやり方でトレーニングに挑戦して、準備を続けてきた。それでも今日のようなことは、誰にも予想できない」
メルセデスF1のチーム代表であるトト・ウォルフは、ハミルトンがチームドクターに会ったことを認めたものの、彼の健康状態に関する懸念は退けた。
「外の暑さとは関係があったと思う。それに、彼にとってはものすごい数のオーバーテイクを行ったレースでもあった。あれは消耗しただろう」
「彼は回復するはずだと思うが、後悔するよりも安心できたほうがいい、ということだ」とウォルフはコメントした。
優勝したエステバン・オコン(アルピーヌ)は、ハミルトンが実際にCOVID-19の後遺症に苦しんでいるかどうかにかかわらず、今回のレースが並外れて過酷なものだったと振り返った。
「コース上の暑さ、湿度、コーナー、それらが組み合わさっているのだから、ひと息つける箇所などなかった」とオコン。「最後まで全力で戦い抜かなければならなかった」
「僕にも元気は残っていないし、死ぬほど疲れたよ。だから、これはルイスが問題を抱えているかどうかとは別だ。ただ、これだけは言える。今日はよく眠れるはずだってね!」
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