BTCC第7戦:スバル・レヴォーグGT今季4勝目、サテライト・ホンダも初勝利
2018年シーズン終盤戦を迎えているBTCCイギリス・ツーリングカー選手権の第7戦ロッキンガム・ラウンドが8月11〜12日に開催され、レース1で2位に入っていた王者アシュリー・サットンのスバル・レヴォーグGTが、2度のセーフティカーにも動じずレース2で今季4勝目をマーク。レース3では、今季からホンダ陣営にスイッチしたBTCノーリンのクリス・スマイリー(ホンダ・シビック・タイプR)が初勝利を飾った。
2018年限りでカレンダーから外れることが決まっている欧州随一のオーバルトラックを持つロッキンガムを舞台に、予選からスリリングな勝負が繰り広げられた1戦は、モーターベース・パフォーマンスのサム・トルドフ(フォード・フォーカスRS)をわずか0.102秒差で抑えたアダム・モーガン(メルセデス・ベンツAクラス)が自身初ポールポジションを獲得。
視界良好の最前列からレース1をスタートしたモーガンは、そのまま盤石のマネジメントをみせポール・トゥ・ウインで今季3勝目を挙げてみせた。
そのモーガンに並んで表彰台に上がったサットンと、トルドフのチームメイトであるトム・チルトン(フォード・フォーカスRS)らがそのまま上位グリッドからのスタートとなったレース2は、雨上がりの路面に対してFRのトラクションを生かしたレヴォーグGTが、ポールシッターのメルセデスをかわして首位奪取に成功。
そのままリードを拡大しようとした矢先、オープニングラップの混乱でクラッシュが発生し最初のセーフティカー(SC)出動となる。この間、後方でジャンプアップを決めたのは、27番グリッドスタートのポイントリーダー、トム・イングラムのトヨタ・アヴェンシスで、SCピリオド時点で11番手を走行。そしてリスタートではさらにポジションを上げ、トップ10圏内に入ってみせた。
そのリスタートから4周後、今度はチームHARDのフォルクスワーゲンCC、マイケル・ケインがコースオフしふたたびセーフティカーが導入。そのリスタートでスプリントバトルが繰り広げられた。
マット・シンプソン(ホンダ・シビック・タイプR)、スマイリーらのシビック勢がともにポジションをふたつ上げると、イングラムも選手権ライバルのウエスト・サリー・レーシング(WSR)、コリン・ターキントン(BMW125i Mスポーツ)をかわして5番手に浮上する。
その前方では、コースオフしたケインの僚友マイク・ブッシェル(フォルクスワーゲンCC)、セナ・プロクター(ボクスホール・アストラBTCC)がサイド・バイ・サイドのつばぜり合いを展開。しかし両車は最終コーナーでワイドになりグラベルに突入する場外乱闘となり、これでイングラムが労せずして3位表彰台を確保。20以上ポジションを上げて価値ある表彰台を確保した。
「自分でもクレイジー、いや“気が狂っている”と思うほどの追い上げだったね」と望外の3位表彰台に満足げなイングラム。
「この走りをやり続けられるかと言われれば自信はないけど、父が僕のカートにウエットタイヤを履かせてくれた頃のことを思い出すくらい、こうしたトリッキーなコンディションは昔から大好きなんだ」
一方、モーガンからの追撃を完璧に封じたスバル・レヴォーグGTの王者サットンも、難コンディションでのタイヤチョイスが奏功したと振り返った。
「路面が濡れたままのグリッド上で、僕らはスリックタイヤを履く決断をした。それが正解だったね。(タイトルを獲った)昨年のこの時期とほぼ同じポイントまで来たけれど、このまま集中していいリザルトを重ねていきたいね」
その難しいコンディションは最終のレース3でも続き、トップ10リバースグリッドのポールシッターとなったチルトンらは、ダンプコンディションのオープニングラップで次々とスライドし、コントロールを失いコースオフ。その混乱に乗じて首位に浮上したのは、5番グリッドからスタートしたBTCノーリンのスマイリー。
その後、SCランなどを挟み後続からの激しいプッシングを受けたスマイリーだが、ダンロップのハードタイヤをチョイスしたTOCA共通エンジン搭載のホンダ・シビック・タイプRは、そのまま16ラップを逃げ切り見事にトップチェッカー。スマイリーにとって初となるイギリス・ツーリングカー選手権勝利となった。
2位にはWSRのターキントンが入り、5位に終わったイングラムを再度逆転して選手権リーダーの座にカムバック。シーズンはいよいよ残り3戦、続く第8戦は8月25〜26日にノックヒルを舞台に争われる。
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