ル・マン24時間:豊田社長「まだまだドライバーの気持ちに応えるクルマづくりが出来ていない」
9月20日、WEC世界耐久選手権2019/20シーズン第7戦・第88回ル・マン24時間レースがフランスのサルト・サーキットで開催され、TOYOTA GAZOO Racingのセバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー組の8号車トヨタTS050ハイブリッドがトップチェッカーを受け、トヨタが2018年の初優勝から3連覇を達成した。
また、同日にはトルコでWRC世界ラリー選手権第5戦の競技最終日・デイ3のSS9〜12が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)が同日4番手スタートから逆転優勝を飾っており、トヨタは2つの世界選手権で勝利を飾った。
ル・マン24時間のレース終了後、トヨタ自動車の豊田章男社長が声明を発表。両カテゴリーで勝利を獲得したドライバーやチームを讃えた。
今年で3連覇を達成したル・マンについては、「多くのファンの皆様の声援、多くのスポンサーパートナー様の支え、そして多くのスタッフの努力で成し得た3連覇です」と謝辞を述べている。
そして、ポールポジションスタートから序盤トップを走行も、トラブルにより総合3位でチェッカーを受けた7号車のマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペスの3人には、「本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」とコメント。
「まだまだドライバーの気持ちに応えるクルマづくりが出来ていないことを、今回も痛感しています」とした上で、“もっといいクルマづくりの戦い”を、これからも続けていくとしている。
豊田社長のコメントは以下のとおりだ。
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(本文ママ)
2020年のル・マン24時間耐久レースを勝利することができました。
そして、同じ週末にWRCラリー・トルコでも勝利することができました。
ブレンドン、セバスチャン、一貴!
TS050 HYBRIDで戦う最後の24時間レースで、他のどのクルマよりも長い距離を走らせてくれて本当にありがとう。
エルフィン、スコット!
厳しいトルコの道を他のどのクルマよりも速く駆け抜けてくれて本当にありがとう。
今年は、どちらの現地にも行けず、みんなと一緒に戦うことができず残念です。
ル・マンのみんなとは一緒に表彰台に上がる約束を、また果たすことができませんでした。(心の中ではル・マンとトルコの両方にいき一緒に表彰台に上っていましたが…)
ル・マンもトルコも無観客でしたが、私のように中継を通じて、世界各国から多くファンがこのレースを見守ってくれていたと思います。応援いただいたファンの皆さまにも感謝申しあげます。ありがとうございました。
ル・マンは、今年で3連覇を達成することができました。多くのファンの皆様の声援、多くのスポンサーパートナー様の支え、そして多くのスタッフの努力で成し得た3連覇です。大きなトロフィーも自分たちの手にすることができて、とても嬉しく思っています。
しかし、それ以上に大きな悔しさを感じているというのが正直な気持ちでもあります。
勝利した8号車もノートラブルで走り切れた訳ではありません。レース前半にブレーキトラブルでピットインを余儀なくされ、一時は順位を落としてしまいました。
7号車のマイク、ホセ、可夢偉の3人には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
可夢偉は「忘れ物を取りに行ってくる」と言って、この決勝に向かっていきました。
ここ数年の彼のル・マンを見ていれば、そんな気持ちでいることも、よく分かります。マイクもホセも、きっと同じ気持ちだったのだろうと思います。
可夢偉は決勝前、私に「このプレッシャーを楽しんで、クルマ、メカニック、エンジニアを信じて、しっかり24時間走り抜けます」とメッセージを送ってくれました。
しかし、クルマを信じてくれていたのに、我々は彼のクルマにトラブルを発生させてしまいました。そのせいで、また彼らは忘れ物を受け取ることができませんでした。本当に申し訳なく思います。
トルコでもエンジントラブルによって上位を走っていたオジエのクルマをラリー途中で止めてしまいました。
我々トヨタは、WRCでチャンピオンを獲ったり、ル・マンでも3回勝つことができるようになりました。しかし、まだまだドライバーの気持ちに応えるクルマづくりが出来ていないことを、今回も痛感しています。
ドライバー達が不安なく、もっと気持ちよく、ゴールに向けて走っていけるクルマを作っていけるよう、我々は“もっといいクルマづくりの戦い”を、これからも続けてまいります。
皆様、引き続き、応援いただければ幸いです。これからもよろしくお願いいたします。
トヨタ自動車株式会社
代表取締役社長 豊田章男
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