厳罰に怒りのハミルトン。スチュワードはメルセデスの過失を認め、ペナルティポイントを撤回【F1第10戦決勝】
2020年F1ロシアGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンは3位を獲得した。ハミルトンはレース前のレコノサンスラップの際に、スタート練習を行った場所が指定された位置とは異なっていたことに伴い、5秒のタイムペナルティをふたつ科された。ポールポジションからソフトタイヤでスタートしたハミルトンは、トップを維持した後、16周目にハードタイヤに交換、その際に10秒のペナルティを消化した。それによって10番手にまでポジションを落としたものの、徐々に順位を上げ、3位表彰台を獲得した。
当初の裁定では、ハミルトンにはタイムペナルティと共にペナルティポイントも1点ずつ合計2点科された。ペナルティポイントは12カ月有効で、12点になれば自動的に出場停止となるが、ハミルトンは合計10点となり、非常に危険な領域に達することになった。
しかしレース後、スチュワードは、ハミルトンがスタート練習を禁止された場所で行う際にチームが指示を与えたとの報告をメルセデスから受け、その事実を無線で確認できたとして、ハミルトンへのペナルティポイントを取り消し、チームに対して25000ユーロ(約300万円)の罰金を科すという決定を下した。
ハミルトンはスタート練習の前に「ここはラバーが乗っているからもっと先でやってもいい?」と尋ね、ハミルトンのレースエンジニア、ピーター・ボニントンが「OK」と答え、ハミルトンが「ピットウォールの終わりのところでやってもいい?」と聞くと、ボニントンは「了解。他のマシンが通れるように十分スペースをあけておくように」と指示していた。
今回優勝すれば、ハミルトンはミハエル・シューマッハーが持つF1最多優勝数91回に並ぶところだったが、今回記録達成はかなわなかった。
ハミルトンはドライバーズ選手権ポイントは合計205点となり、2位バルテリ・ボッタス(メルセデス)とは44点差で選手権をリードしている。
■メルセデス-AMG・ペトロナスF1チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=3位
まずは、今週末サーキットに足を運んでくれたファンの皆さんに心からお礼を言いたい。レースを楽しんでくれたならうれしい。
僕自身にとってはいい日ではなかった。でもそういうこともある。ふたつのペナルティを科されることになった状況について詳しく調べて、正確に理解する必要がある。ペナルティによって僕は後方に落ちた。ファーストスティントはソフトで走っていたので厳しかったが、できるだけ長く走ることを目指して努力し、とてもいい走りができたと思う。その後は、ひたすら挽回に努めた。
こういう日もある。最終的に表彰台に上り、ポイントもある程度獲得できたことに感謝している。もっと最悪の事態になる可能性もあったが、そこまで多くを失うことはなかった。
優勝したバルテリにおめでとうと言いたい。今日はこのポイントを受け入れて、前に進むことにする。
(レース後の会見で語り)これから規則を確認して、僕の何が間違っていたのかを正確に理解する必要がある。でも、こんなばかげたことに対して5秒ペナルティをふたつ科すなんて前例はないと思う。僕は誰のことも危険にさらしてはいない。
ルールブックを詳しく確認して、彼らが規則を作れるエリア、以前はペナルティが出されなかったエリアを抜き出して、確実にカバーできるようにする。彼らには絶対に理由を与えない。彼らに「何かできるかもしれない」と思わせるようなことはしない。
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