優勝を狙ったマクラーレンF1。ノリスのステイアウトは「チームとして行った決断」と代表
マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは、ランド・ノリスがF1第15戦ロシアGPの終盤にインターミディエイトに変更するためのピットストップをしない決断をしたことは、マクラーレンのピットウォールも含めたチーム全体の過失であると述べている。
日曜日のレースをリードするなかで、ノリスはコース上が部分的に湿っている状況でチームに決断を迫った。終盤の雨のなかで勝利をつかむために、スリックタイヤでステイアウトしたいと伝えたのだ。
ノリスにかかっていたプレッシャーは、彼を追っていたルイス・ハミルトン(メルセデス)がインターミディエイトタイヤに交換するためにピットストップをしたことで一時的に和らいだ。ノリスは走行を続けたが、悪化するコンディションに足を取られ、ハミルトンに対するリードを失った。最終的にはチェッカーフラッグまでわずか2周のところでインターミディエイトに履き替えるための遅いピットストップをする羽目になった。
レース後、7位フィニッシュとなり打ちのめされたノリスは、ステイアウトをした決断を後悔したが、その決断は走行の真っ只中に自身でトラックコンディションを評価し、またチームから与えられた情報を元に決めたのだと主張した。
「あるラップから次のラップへと全体が変化した」とノリスは説明した。
「ゲームが完全に変わったんだ。あの終わりに近いラップでルイスがピットストップを行った時、スリックタイヤをまだ履いているべきだった。あの周回で彼ら(チーム)は『インターに変えたいか?』と聞いてきた。その時僕が走っていた周回では、変えることはしなかった。なぜならスリックタイヤはまさに適切なタイヤだったからだ」
「もちろん今では、それは間違った決断だ。でも僕の感触ではさらに雨が降るとは思えなかった。彼らからもっと雨が降ると言われなければ、僕には知るすべがない。彼らからはそのことを言われていなかった」
最終的にザイドルは、この戦略ミスにはチームとドライバーに等しく責任があると判断した。
「彼はこれがゲームの一部であり、学びの一部でもあることを分かっている」とザイドルは『Sky F1』に語った。
「だがそれは彼の方だけでなく、チームの方としても同じだ。なぜならピットウォール側が彼の考えを却下するチャンスは常にあると思うからだ。我々が得ていた情報を元にしてね」
「結局のところ、我々はともにステイアウトの戦略を採用したのだ。ルイス側の議論を聞いたが、同じようなことが行われていた。だがルイスたちには我々が何をしているか待ち、逆のことをするチャンスがあった。なぜならあの時彼は2番手だったからね。我々にはそうしたチャンスがなかった」
「我々は勝ちに行きたかった。だからともにステイアウトすることを決断したのだ。そしてそれがうまくいかなかった理由だ」
後になってピットストップを早めなかったことを後悔しているか尋ねられたザイドルは次のように答えた。
「7位になったから、そのときは後悔したよ!」
「これはドライバーとピットウォールがともにチームとして行った決断だ。その結果、今日は他の一部のチームと比べると、我々はレースをうまくまとめ上げることができなかった。我々はこのことを分析して学び、次回はより優れた戦略を採るだろう」
落胆はしているものの、ザイドルはノリスのソチでのパフォーマンスを称賛した。もう少しでマクラーレンに2戦連続の輝かしい優勝をもたらすところだったのだ。
「最後の2、3周を除けば、ふたたびチームと彼に関して見たこと、彼について言えばポールポジションを獲得したことや、今日のレースのこと、それらはF1で3年目の彼がやってのけたこととしては印象的だ」
「そうしたことから、もちろん我々は今日どれだけうまくやることができたかについて、彼とともに分析し学ぶ必要がある。レースウイークの結果がどのようなものであれ関係なく、それが常に我々が最初にやることだ」
「だが同時に彼のポジティブな面のすべてに目をやることが重要だ。そしてより強くなってトルコに臨むのだ」
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