リンスが最終ラップまで続いた激闘を制し、今季初優勝。クアルタラロは痛恨の転倒リタイアでランキング2番手に後退/MotoGP第18戦オーストラリアGP
10月16日、MotoGP第18戦オーストラリアGPの決勝レースがフィリップ・アイランド・サーキットで行われ、MotoGPクラスはアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が今季初優勝を飾った。
2位にはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が入り、今季初の表彰台を獲得している。中上貴晶の代役として参戦した長島哲太(LCRホンダ・イデミツ)は、19位でゴールした。
オーストラリアGPの決勝日はウォームアップ走行が行われた午前中に雨が降り、このため決勝レースに向けた最後のセッションは、レインタイヤでの走行となった。決勝レースの時間帯には天候は回復して路面状況もドライ。気温15度、路面温度36度で決勝レースがスタートする。
なお、ミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)は、Q1の終盤にチェッカーを待たずスタート練習を行い、走行ライン上をスロー走行して他のライダーのアタックを妨げたとして、MotoGPスチュワードパネルにより3グリッド降格と、レース中のロングラップ・ペナルティが科された。このため、オリベイラは最後尾の24番グリッドスタートとなり、長島哲太(LCRホンダ・イデミツ)は23番グリッドとなっている。
ホールショットを奪ったのはポールポジションスタートのホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)だった。2番手にはマルク・マルケス、3番手にはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)とフロントロウスタートのライダーが順当にスタートを切る。
バニャイアの後ろには4番手のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)、5番手のファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)などが続く状況だ。
3周目、8番手スタートのジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)がクアルタラロをかわして5番手に浮上すると、続いてアレイシ・エスパルガロをパス。4番手となったミラーはチームメイトであるバニャイアに迫る。
ミラーにかわされ6番手を走っていたクアルタラロは、4周目4コーナーの進入でマシンが振られ、コーナーを曲がり切れずに大きく順位を落とす。ミスを犯したクアルタラロは21番手にまで後退することになった。
9周目、このとき7番手を走っていたミラーと8番手のアレックス・マルケス(LCRホンダ・カストロール)が4コーナーで接触し、転倒。映像を確認する限りでは、ブレーキングをミスしたアレックス・マルケスがバランスを崩し、後ろからミラーに追突したと見られる。この接触は審議の対象となった。ミラーにとっては3年ぶりの母国グランプリで、タイトル争いに可能性を残していたが、この転倒リタイアによってその可能性は消失した。
さらに11周目、15番手にまでポジションを回復していたクアルタラロが、2コーナーで単独転倒を喫する。タイトル争いを展開するクアルタラロにとって、痛恨のリタイアとなった。
一方、上位陣の順位としては、2番手にリンスが浮上していた。リンスは 7周目にミラーをパスし、その翌周にバニャイアをかわすと、その後、マルク・マルケスに迫り、2番手にポジションを上げていたのだ。
レース中盤の13周目に入って、トップ争いは混戦となった。リンスは14周目にマルティンをオーバーテイク。トップに浮上するも、バニャイア、マルク・マルケス、マルティン、マルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)、アレイシ・エスパルガロなどが連なる状況だ。15周目にはバニャイアがトップ、マルク・マルケスが2番手に浮上し、リンスは再び3番手となるも、17周目にはリンスが2番手に順位を上げている。接戦は続いた。
残り5周、トップはバニャイア、2番手はベゼッチ、3番手はリンス、4番手はマルク・マルケス。残り3周になるとベゼッチが4番手に後退し、リンスが2番手、マルク・マルケスが3番手となった。
緊迫した接戦の中で迎えた最終ラップ、リンスとマルク・マルケスがバニャイアのインサイドに飛び込む。リンスがトップ、マルク・マルケスが2番手に浮上した。バニャイアもマルク・マルケスの背を追うも、オーバーテイクすることができない。トップ争いは、最終局面でリンスとマルク・マルケスの一騎打ちとなった。
リンスの背にぴたりとつけるマルク・マルケス。しかし、リンスはトップを譲らなかった。リンスはトップでフィニッシュラインを駆け抜け、激闘を制して今季初優勝を飾った。2位はマルク・マルケス。今季初の表彰台であるとともに、マルク・マルケスにとって最高峰クラスで100度目に獲得した表彰台となった。バニャイアは3位でゴール。優勝こそ逃したものの、タイトル争いの面では仕事を果たしたと言えるだろう。
表彰台争いを展開したベゼッチは4位を獲得した。ベゼッチはこの結果により、2022年シーズンのルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。5位はベゼッチのチームメイトのマリーニだった。アレイシ・エスパルガロは9位でゴール。長島は19位だった。
この結果、チャンピオンシップとしては、バニャイアがランキングトップに浮上。クアルタラロは14ポイント差のランキング2番手に後退し、アレイシ・エスパルガロは27ポイント差でランキング3番手を維持している。2022年シーズンは残すところ、第19戦マレーシアGP、そして第20戦バレンシアGPの2戦だ。
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