MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGP:バニャイアがポール獲得。対するクアルタラロはQ2進出を逃す
10月23日、MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGPの予選がイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われ、チャンピオンシップでランキング2番手につけるフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がポールポジションを獲得した。一方、チャンピオンシップリーダーのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)はQ1で5番手に終わり、Q2進出ならず15番手という結果に終わっている。
予選日の午前中に行われたフリー走行3回目も初日に続き、ウエットコンディション、気温15度、路面温度14度という低い気温でスタートした。初日を総合トップで終えたミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が序盤に1番手タイムを記録。2番手にはジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)、3番手にマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がつける。
開始20分過ぎにはミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)がトップに浮上。しかしオリベイラはトップに立った翌周、15コーナーで転倒を喫した。また、バニャイアが2番手にポジションを上げる。一方、チャンピオン獲得がかかるファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)はこのとき13番手。初日に続き、路面状況に苦戦する。
転倒したオリベイラに代わり、残り時間15分でホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)がトップに立った。残り時間が7分になると、2番手にヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)、3番手にミラーがつける。ザルコはさらにタイムを詰め、マルティンのトップタイムを上回った。
ザルコは終盤に記録した1分40秒384のタイムでフリー走行3回目を制した。2番手はマルティン、3番手はミラーのまま変わらず、トップ3をドゥカティ勢が席巻。4番手はオリベイラ、5番手にはマルク・マルケスがつけている。
そしてフリー走行3回目の結果により予選Q2へのダイレクト進出を逃したのが、クアルタラロとバニャイアである。バニャイアは最後のアタックでタイムを更新したが、0.136秒、10番手のルカ・マリーニ(スカイ・VR46・アビンティア)に届かずに11番手。クアルタラロはタイムを詰められず、15番手という結果に終わった。また、中上は20番手。こちらも初日同様、ウエットコンディションに苦しんでいる。
フリー走行4回目は曇天ながら、路面は乾いた部分と濡れた部分が混じるミックスコンディションとなり、このセッションでは、序盤、レインタイヤで走るライダーとスリックタイヤで走るライダーが入り交じっての走行となった。こうした難しいコンディションにより転倒が続出。マルク・マルケス、ミルを含むライダーたちがクラッシュを喫している。
セッション終盤にはすべてのライダーがスリックタイヤを履いて走行。難しいコンディションのなか、トップタイムをマークしたのはイケル・レクオーナ(テック3・KTM・ファクトリーレーシング)。2番手はバニャイア、3番手はミラーで、クアルタラロは4番手、5番手はオリベイラだった。中上は14番手でセッションを終えている。
■バニャイアがポール、クアルタラロは5列目からのスタートに
予選Q1では気温、路面温度ともに17度。低い気温は変わらず、路面にはウエットの部分が残る状況だ。Q1から予選に望むのは、クアルタラロ、バニャイアというチャンピオンシップを争うふたりに、ミルや中上、バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)などの面々である。
前半のアタックではバニャイアがトップに立つとさらにタイムを詰めて1分35秒604をマーク。対するクアルタラロも1分35秒789を記録し、バニャイアがトップ、クアルタラロが2番手につける。バニャイア、クアルタラロはともに周回の度にタイムを更新。終盤にはそのタイムは1分34秒台に突入していく。
15分間で争われる予選は、通常、1回のピットインを行い適宜タイヤ交換を行うが、Q1は1セットのタイヤでアタックが行われた。低い気温が影響したものと考えられる。
バニャイアはトップをキープする一方、クアルタラロは残り時間3分で3番手。終盤にはブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)、ミケーレ・ピロ(ドゥカティ・レノボ・チーム)、ミル、さらに残り時間1分を切ってバスティアニーニのの転倒が続出しており、該当区間にイエローフラッグが提示されている状況だった。
クアルタラロは最後までタイム更新に挑んだが、3番手。さらにQ1後、ベストタイムを記録した際にイエローフラッグ区間を通過したとして、該当のタイムが取り消され、5番手という結果で終わっている。対するバニャイアは終始トップをキープし、1分33秒393をマークして1番手でQ1突破を決めている。そして2番手は、何度も好タイムを記録していたレクオーナだった。
続いて行われたQ2では、アウトラップでマルク・マルケスがあわやハイサイドというところを立て直し、アタックをスタートさせる。さらに、マルティンが8コーナーでクラッシュ。Q2を迎えて路面状況は次第に乾いている部分が多くはなっていたが、依然として濡れた部分は残っていた。
こうした状況のなかで、Q1を突破してQ2に望んだバニャイアがトップタイムを記録。同じくQ1からQ2に進出したレクオーナが2番手につけ、バニャイアとレクオーナはベストタイムを記録したあとにピットに戻り、このセッションではタイヤ交換を実施した。
残り時間5分を切って、ミラーがバニャイアに次ぐ2番手に浮上。終盤に入るとマルティンが再び転倒を喫し、さらにダニロ・ペトルッチ(テック3・KTM・ファクトリーレーシング)、レクオーナ、さらにはマルク・マルケスといったライダーのクラッシュが相次いだことで、Q1のように該当区間にイエローフラッグが提示され、タイム更新が難しい状況となった。
バニャイアは序盤に記録した1分33秒045でトップを維持し、ポールポジションを獲得。2番手はミラーで、ドゥカティ・レノボ・チームが予選でワン・ツーを決めた。3番手は最後のアタックで1分33秒130を叩き出したマリーニ。MotoGPクラスで初のフロントロウを獲得している。
4番手はポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)、5番手はオリベイラ。また、かねてよりミックスコンディションで苦戦しているヤマハ勢のなかで、フランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が6番手を獲得した。転倒を喫したマルク・マルケスは7番手だった。
バニャイアがポールポジションを獲得した一方で、クアルタラロは15番手。明日の決勝レースを5列目から迎えることになる。中上は16番グリッド、最後の母国グランプリとなるロッシは23番グリッドだった。
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