【F1サーキット巡り】フェラーリ親子の名を冠したイモラでティフォシが熱狂。タンブレロにはセナの銅像も
2020年のF1はコロナ禍の影響を受けて、当初カレンダーに予定されていた多くのグランプリが中止に追い込まれたため、その代替え案として最近F1が開催されてこなかったヨーロッパのサーキットで、グランプリが行われるようになった。そんなサーキットを紹介していくこのコーナー。4回目はポルティマオに続いて、2020年F1第13戦エミリア・ロマーニャGPの舞台となるイタリア・イモラだ。
エミリア・ロマーニャ州にあるイモラは、州都ボローニャから34km南東にある人口約7万人の町だ。サーキットの正式名称は、『アウトドローモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ』。日本語に訳せば、「エンツォとディーノ・フェラーリのサーキット」ということになる。
当初は「アウトドローモ・ディーノ・フェラーリ」という名称だったが、1989年にエンツォ・フェラーリが他界した後、現在の名称に改められた。
サーキット名にフェラーリ親子の名前が冠されており、コントロールタワーがある建物の屋上にも、跳ね馬のマークが入っているため、ムジェロのように、このイモラもまるでフェラーリが所有しているかのようだが、イモラ・サーキットの所有者は、じつはイモラ市。エミリア・ロマーニャ州を代表する著名人をサーキットに名前にしようと、同じエミリア・ロマーニャ州のマラネロに本社を構えるフェラーリを称えて、このネーミングとなった。
いずれにしても、創業者のエンツォとその息子のディーノの2人の名前を併記している世界でただひとつのサーキットということで、イモラはフェラーリ・ファンであるティフォシたちにとっては聖地のような場所となっている。
イモラで初めてF1が開催されたのは1980年。前年に死亡事故が起きたモンツァに代わってイタリアGPが開催された。その後、1981年からはサンマリノGPという名前で開催。これは1981年からモンツァでのイタリアGPが復活したためだ。F1では1国1開催が原則となっており、イタリアGPという名称が使用できないため、エミリア・ロマーニャ州と接するサンマリノ共和国の名前を借用して、秋のモンツァでのイタリアGPとともに、春にイタリアで開催されるもうひとつのF1として、26年間開催されてきた。
今年はサンマリノGPではなく、初めて地元の名前を冠して、エミリア・ロマーニャGPとして開催される。
そのイモラで多くのティフォシたちが集結するのが、トサ・コーナーのアウト側のスタンドとリバッツァ・コーナーの内側の丘だ。特にリバッツァ・エリアは比較的安価なチケットで入場できるため、熱狂的なファンが多く集まる。ミハエル・シューマッハーが活躍していた2000年代前半はドイツGPに負けないくらい多くのティフォシがシューマッハの帽子をかぶっていたものだった。
そのティフォシたちの前で、シューマッハーと手に汗握る熱戦を繰り広げたのが、のちにフェラーリ・ドライバーとなるフェルナンド・アロンソだった。2005年はレース終盤にテール・トゥ・ノーズで迫ってきたシューマッハーを押さえ切って、アロンソが優勝。2006年はピットストップでシューマッハーがアロンソを逆転して、前年の雪辱を果たした。
イモラは1994年に、ローランド・ラッツェンバーガーとアイルトン・セナが事故死したサーキットとして、F1の歴史において悲しい1ページを刻んだ場所でもある。1997年には、セナが事故死したタンブレロ・コーナーの内側に、セナの銅像が設置された。
セナを尊敬するルイス・ハミルトン(メルセデス)にとっては、初めてのイモラでのF1となる。どんな走りを披露するのか、天国からセナもその走りを楽しみに見ていることだろう。
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