WEC:最終戦バーレーンのサクセスハンデ発表。トヨタ7号車に0.54秒のアドバンテージ
FIAエンデュランス・コミッティは、WEC世界耐久選手権2019/20シーズン最終戦となる第8戦バーレーン8時間レース(11月14日決勝)においてLMP1クラスに適用されるサクセスハンデキャップの数値を、11月4日付けのブルテンで発表した。
新型コロナウイルスの影響を受けて変更されたカレンダーにより、WECは9月の第7戦ル・マンに続いて行なわれるシーズン2度目のバーレーンで、フィナーレを迎えることになる。
既報のとおり、このバーレーン戦にはノンハイブリッドのレベリオン・レーシングやチームLNT(ジネッタ)、バイコレス・レーシングは参加せず、LMP1クラスはトヨタGAZOO Racingの2台のみで争われる。
第7戦ル・マンを終えた段階で、LMPドライバーズ選手権では8号車TS050ハイブリッドをドライブするセバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレーの3人が175ポイントを保持しており、7号車TS050ハイブリッドをドライブするマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペスを7ポイント差でリードしている。
発表されたブルテンによると、バーレーンではトヨタ7号車が8号車に対して、1周あたり0.54秒のアドバンテージを持つこととなり、これに合わせて1周あたりの最大放出エネルギー量などが調整されている。
今回は競合するLMP1ノンハイブリッドマシンが出場しないため、トヨタ2台のサクセスハンデキャップの計算方法が変更された。
ここ数戦における2台のトヨタのハンデキャップは、ランキングトップから40ポイント点数が少ない『仮想車両』とのポイント差を使用し、計算されてきた。この仮想車両ルールは、2019年のバーレーン8時間レース前に、トヨタとランキング最下位マシンのポイント差が40を超えたときから採用されている。
バーレーンにはレベリオンおよびジネッタが参加しないことになったため、ランキングリーダーであるトヨタ8号車のハンデキャップは、出場車両の中でのランキング最下位マシン、つまりトヨタ7号車との差を用いて計算されることになった。
またこのブルテンでは、今季これまでEoT(テクノロジーの均衡:実質の性能調整)で932kgとされてきたトヨタTS050ハイブリッドの最低重量(ル・マンを除く)が、2台ともに878kgへと変更されている。
「我々は、バーレーンでサクセスハンデキャップ制度が維持されることに、完全に同意する。これが唯一、公正でスポーティングな選択肢だ」とトヨタGAZOO Racingのテクニカル・ディレクター、パスカル・バセロンは語っている。
「サクセスハンデキャップは個々の車に適用されるものであることを忘れないでほしい。バーレーンにおいて、LMP1マシンがトヨタだけであることとは、まったく関係がない」
「サクセスハンデキャップの効果は、シーズンを通して考慮する必要がある。これまでのところ、7号車は(ル・マンを除いた)6戦中、3つのレースでサクセスハンデキャップのディスアドバンテージを受けており、8号車より有利となったのは1度だけだ」
「バーレーンに入る時点での順位とポイントはこの制度の影響を受けたものだ。したがって、その制度がタイトル決定戦となる最終戦でも維持されることは、バランスが取れているし公正である」
バーレーン8時間レースは、LMP1規定のトヨタTS050ハイブリッドにとって最後のレースとなる。2021シーズンからは、ル・マン・ハイパーカー規定の新型マシンが、WECの最高峰『ハイパーカー』クラスにデビュー予定だ。
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