Team NAOKIの“師匠”服部尚貴、“先輩”石浦宏明に吉田広樹のGT300チャンピオン獲得を聞く
11月4〜5日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されたスーパーGT第8戦で、7位フィニッシュを果たし2023年のスーパーGT GT300クラスチャンピオンを決めた埼玉トヨペットGreen Braveの吉田広樹と川合孝汰。なかでも吉田にとっては、2011年にスーパーGTデビューを飾ってから13年目の嬉しい初タイトルとなった。そんな初戴冠に、吉田の“師匠”である服部尚貴、そして先輩である石浦宏明からメッセージを寄せてもらった。
熊本県出身の吉田は、自動車免許取得後2004年に鈴鹿FJ1600に参戦。レーシングドライバーとしてのキャリアをスタートさせた。2005年には鈴鹿FJ1600で『Team NAOKI with LE PRIX SPORT』から参戦しチャンピオンを獲得することになるのだが、このころから服部が若手ドライバーを支援するTeam NAOKIの一員となった。
「レプリスポーツから紹介してもらった感じですね。そこから入門フォーミュラのチームを作ろうという話になりました。彼(吉田)は見た目はいいので、一切走りは見てなかった(笑)。もし速くなったら人気が出る方がいいかな、というくらいで選んでました」と冗談めかすのは、その“師匠”である服部。
以来、吉田は服部のカラーリングパターンと自らのイニシャルである『H』を採り入れたヘルメットを被りキャリアを積み、今もヘルメットのバイザー部分には『Team NAOKI』の文字が入る。そして、今季ST-Zクラスでチャンピオンを獲得したスーパー耐久では、服部は埼玉トヨペットGreen Braveのチームメイトでもある。
そんな吉田の初GT300チャンピオンに「長くやってきて良かったね、と思いますね。それも一切メーカーのスカラシップを得ていない中でずっとやってきて、チャンピオンという称号を得たわけですから。今までチャンピオンという称号はFJくらいしかなかったですからね」と服部はいう。
「長くやってきて本人も速くなったんだと思いますけど、メーカー系ではないドライバーがたくさんいる中で、彼の後に続くドライバーたちにも、夢を与える結果を出したのではないでしょうか。そういう意味では貢献したと思います」
「ではチャンピオンを獲って次に何があるか……は分かりませんが、何か良いことがあるかもしれませんしね。続けることがいちばん大事だと思っています」
ご存知の方も多いかもしれないが、吉田は誰にでも愛されるキャラクターの持ち主。言葉は少なかったが、2005年から吉田の成長を見守ってきた人物でもある服部にとっても、嬉しい吉田のチャンピオン獲得だったのではないだろうか。
■「誰しもを黙らせる結果を残したということ」“兄弟子”も安堵
一方、今季のスーパーGTでもうひとり『Team NAOKI』の文字をつけたヘルメットで戦っているのがZENT CERUMO GR Supraの石浦宏明。「2003年からなので、かれこれ20年の付き合いになりますね。アイツが熊本から急に鈴鹿に出てきまして、Team NAOKIがあったレプリスポーツの門を叩いたわけです。急にワケも分からず、『レースってすごい!』と言いながらフォーミュラトヨタを観に来たんです(笑)」と吉田との出会いを振り返った。
「僕はそのチームのドライバーじゃないのに、僕のホテルの部屋に転がり込んできて泊まるというヤツなんです。それが最初の出会いで20年前。なんなら僕が結婚式を挙げた夜も転がり込んできて、スイートルームのソファで吉田が寝てたんです。それが10年前ですね」
服部の言葉にもあったとおり、吉田はそこからフォーミュラのキャリアを経て2011年にサンダーアジア MT900MのドライバーとしてスーパーGTにデビューしてからも、初優勝まで10年という長い歳月を要した。そして今季はついにチャンピオンという位置まで登りつめた。
「いまやスーパーGTとスーパー耐久でダブルタイトルを獲るドライバーになりましたが、途中、レースで『このままじゃ厳しいんじゃないか』という時期が続いたんです。チャンスをもらっては無駄にし、アイツが何かやるとみんな僕のところに来るので、僕が謝ってまわるのがルーティンのようになりました(苦笑)」と石浦は振り返る。
「でも最近、みんなが『アイツすごいね』と言うんです。誰もがプロで活躍するのは無理だと言っていたのに、ついにスーパーGTのチャンピオンになったわけですからね。誰しもを黙らせる結果を残したということなんです」
ちなみに、石浦もスーパーフォーミュラの2年連続チャンピオンという経歴はあるが、スーパーGTでのチャンピオンはGT300での一度きり。「並ばれたってことですね! ……ショックですねえ(笑)」と冗談めかすが、一方で吉田の苦労も知っている。
「ホント、自分で資金を集めて乗っていた時代が長かったのに、いま強いチームでプロとしてチャンスをもらい、結果も出しているわけですからね。昔は、みんなが吉田の将来を心配していたんですが、もうアイツは大丈夫ですね。もう誰も止める人はいないと思います。チャンピオンの肩書きがあれば、この先も大丈夫なんじゃないでしょうか」
ちなみに、石浦は「衝撃の事実があるんですが……」という。
「吉田は僕と歳がふたつしか違わないんですよ。だから40歳間近(12月に40歳)なんですが、今がいちばん活躍してるんです。ドライバーってまだまだ成長するんだと思いましたね。アイツの場合、60歳くらいがピークになるんじゃないでしょうか(笑)」
チャンピオン獲得で“兄弟子”石浦からはある意味太鼓判が押されたが、とはいえまだまだ心配なのは変わらないよう。「第7戦オートポリスの後に『こういう時だぞ。何もやらかさないように気をつけろよ』と伝えました。今までもいっぱい苦労しているので、調子に乗るとこういう時こそ危ないですから」と石浦。
「ふだんの生活から足をすくわれることがないようにと、今までの経験からの“兄目線”で伝えておきました。何歳になっても心配は心配です(笑)」
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