WECバーレーン:TS050最後の予選は7号車トヨタに軍配。8号車の一貴は「決勝レースに照準」
11月13日、バーレーン・インターナショナル・サーキットでWEC世界耐久選手権第8戦バーレーンの公式予選が行われ、LMP1クラス唯一のエントリーとなったTOYOTA GAZOO Racingは7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)が、チームメイトの8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー組)を破ってポールポジションを獲得した。
前戦のル・マン24時間でトヨタがチームタイトルを決めたことなどから、他のプライベーターチームが不在のなか行われているWEC最終戦バーレーン。そんな今戦はLMP1規定のラストレースであると同時に、トヨタ7号車と8号車、双方のクルーによるワールドチャンピオン争いの最終決戦の場でもある。
最終戦を前にした時点での両者のポイント差はわずか7点。通常の1.5倍のポイントが得られる今戦を制した方が世界王者となるのだ。そんな第8戦バーレーンの予選は現地13日の18時30分に開始された。11月中旬にもかかわらず気温が27度まで上昇するなか、先にコースインしたのは選手権をリードする8号車のハートレーだった。
チームメイトの7号車はコンウェイのドライブで、数分遅れてピットアウトする。ふたりのドライバーの平均タイムで争われる予選前半のアタックは、7号車が8号車を上回った状態で後半戦へと入っていく。
第8戦は8時間のレースを中東ならではの暑さのなかで戦うことから、両車ともに決勝で使う新品タイヤを温存する作戦を選択。タイヤ交換を行わずにふたりめのドライバーをコースに送り出した。
この後半戦でも逆転戴冠を狙う7号車が、サクセス・ハンディキャップで1周あたり0.54秒のハンデを負うチームメイトに対して速さをみせ見事ポールポジションを獲得し、選手権ポイント1点をもぎ取ることに成功した。
今季3度目の予選1番手を獲得した7号車は、これでポイント差を6点として明日の決勝に臨むことになる。
「ポールポジションと、ポイントを獲得できたことに満足している。僕のアタックラップはクリーンでうまくいった」と語るのはTS050ハイブリッド最後のポールポジションを獲得した7号車のコンウェイ。
「ミスを犯さないことを最優先にしたアタックだったが、結果、明日の決勝は最高のスターティングポジションから1コーナーに向かうことができるのでうれしく思う」
「ホセのアタックも見事だったし、チームも良くやってくれた。ポールポジションが獲れて良い気分だよ。これでレースウイークの最初の関門が終わったけれど、もっとも重要な明日へ向けて、引き続き集中していく」
■決勝レースのカギとなるのはタイヤマネジメント
予選後半のアタックを担当したロペスは「まず1歩近づくことができたが、まだ我々にとって非常にハードな8時間レースが残っている」とコメント。
「風向きが頻度高く変わるので予選に向けたセットアップでは苦労した。楽に見えたかも知れず、大変な作業だったが、予選でのTS050ハイブリッドは最高だったよ」
「マイクが素晴らしいアタックを見せてくれたので、ポールを決めなくてはと思っていた。8号車の前でスタートできるのは良いことですが、このポジションをレース終了まで死守したいと思っている」
一方、8号車の後半アタッカーを務めた一貴は、8号車がタイヤ摩耗に苦しんでいることを明かした。
「今回、予選はそれほど重要ではありませんので、我々としては完全に決勝レースに照準を合わせていました」
「我々8号車はロングランでのタイヤ摩耗に苦しめられており、厳しい週末となっています。予選も最高の感触であったわけではなく、決勝へ向けて新しいことを試す時間はもうありません」
「これからデータを確認し、決勝レースで最大のパフォーマンスを発揮できるよう頑張ります」
僚友のハートレーは「サクセス・ハンディキャップがあったので2番手になることは予想していた。クリーンなアタックラップだったが、決勝レースへ向けてタイヤを温存したんだ」とコメント。
「路面コンディションも簡単ではなく、風向きが変わりやすく、11月とは思えない暑さにも苦しめられた」
2017年のWEC王者は「明日の決勝レースですべてが決まるので、TS050ハイブリッドからすべてを引き出し、クリーンなレースを戦いたいと思います」と続けている。
トヨタTS050ハイブリッドにとって最後のレースとなる2019/2020年WEC第8戦バーレーンは11月14日(土)14時(日本時間20時)に8時間にわたる決勝レースがスタートする。
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