フェラーリF1代表、アブダビGPでのルクレールの戦術を正解と語る。メルセデス陣営はスポーツマンシップを称賛
スクーデリア・フェラーリのフレデリック・バスール代表は、チームがF1コンストラクターズランキングで2位を手に入れるための最終手段として、シャルル・ルクレールがアブダビGPの終盤でジョージ・ラッセル(メルセデス)を抑え込まなかったのは正解だったと述べている。
ルクレールはヤス・マリーナ・サーキットで行われた2023年F1第23戦アブダビGPの決勝レース終盤で2番手につけており、セルジオ・ペレス(レッドブル)が3番手、ラッセルは4番手を走行していた。
しかし、ペレスはレース中盤にランド・ノリス(マクラーレン)と接触したことで5秒のタイム加算ペナルティを受けており、事実上の3番手はラッセルだった。その順位のままレースが終われば、メルセデスがコンストラクターズランキング2位を守り切る結果となる。
レース終盤、ルクレールはラッセルが獲得するはずのポイントを削り、フェラーリが僅差でメルセデスを上回れるようにしようと、自身のスリップストリームを利用させてペレスを2番手に上がらせようとした。そうすれば、もしラッセルがペレスと5秒以上の差でチェッカーフラッグを受けた場合、ラッセルは4位に後退することになる。
だが、残念ながらわずか1.1秒及ばず、結果としてペレスは最終的に4位となり、ラッセルは3位で表彰台に立つことができた。
レース後、ペレスはルクレールの意図に気づいていたが、ルクレールがラッセルをあまりブロックしようとしなかったのは、サーキットの第3セクターであればブロックできたはずなのに、意外だったと述べた。
「僕は自分の甘さに驚いているが、シャルル(ルクレール)が最終的にジョージ(ラッセル)を抑えてくれるものと思っていた。最後のセクターで少しばかりね。ジョージと1.1秒差でフィニッシュしたと思うけど、彼を抑えてくれるものと思っていたんだ」とペレスは語った。
「(ブロックは)最終セクターなら簡単にやれることだ。だが、彼は完全な情報を持っていなかったのかもしれないね」
一方でバスールは、もしルクレールが必要以上にラッセルを抑えようとしていたら、ペレスより5秒以上遅れる結果になっていたかもしれず、2位を失っていた可能性が高いと述べた。
ルクレールの戦術について問われたバスールは「フェアにやりすぎだって? 私はそう思わない」と答えた。
「つまり、(ルクレールは)ラッセルをブロックする一方で、ペレスの順位が自分とラッセルの間に来るように注意していなければならないからだ」
「ラッセルをブロックしたいのなら、100分の1秒単位の問題になる。私はそういった戦いはあまり好きではない」
「ペレスを先に行かせたときはDRSを与え、我々を有利にしてもらおうとフェアな範囲でベストを尽くした。でも、やり過ぎはよくない」
そしてラッセルは、バトルを“クリーン”に保ったルクレールを称賛した。
「最後はチェコ(ペレス)と厳しい争いになったので、シャルルが僕をブロックしてくるものと思ったけど、クリーンなバトルをしてくれたことに感謝したい」とラッセルは述べた。
このラッセルの考えにはメルセデスのトト・ウォルフ代表も同意し、ルクレールのスポーツマンシップを称えた。
ウォルフは「ペレスのことはかなり長い間注目していなかった」は述べた。
「ペレスがジョージより先行していたときは、おそらく1ストップ戦略はできないだろうと考えていた。なので、そうなれば10秒か11秒差でこちらが前に行けると予想していた」
「その段階では自分たちのことに集中して『ジョージが最速になれるように性能を絞り出そう』と言っていたんだ。路面の管理が必要だということが念頭にあり、それができなければ崖(タイヤの劣化)が来てしまう」
「ペレスから5秒以内にいなければいけないことは分かっていた。だが、ルクレールがあまりにも前にいたので、我々を後ろに留めようとするには車間が空きすぎていて、うまくいかないだろうと考えていた」
「振り返ってみると、ルクレールは最終セクターで速度を落とすこともできたはずだが、そうはしなかった。これはドライバーの性格を表していると思う」
「フェラーリとメルセデスの争いは、ふたつの偉大なブランド間で行われた素晴らしい戦いだ。私たちはフェラーリに大きな敬意を抱いており、シャルルは真のスポーツマンとしてマシンをドライブしていた」
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