F1マイアミGP主催者、2023年の開催に向けコース改修を計画。オコンのクラッシュで批判を浴びたウォールなども改良へ
F1マイアミGPのプロモーターは、2023年に2回目の開催を迎える前に、マイアミ・インターナショナル・オートドロームにいくつか大幅な変更を加えることを計画している。
F1マイアミGPは、今年5月に初めて開催された。テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で秋に開催されるアメリカGPに加えて、アメリカで開催されるふたつ目のグランプリとなった。そして2023年シーズンは3つ目のレースがカレンダーに加わる。シーズン終盤にラスベガスの世界的に有名なストリップ地区でF1レースが開催されるのだ。
しかし主催者は、マイアミのコースにはF1が戻る前に変更が必要だと認めている。このコースは、NFLで有名なマイアミ・ドルフィンズの本拠地である、マイアミ・ガーデンズのハードロック・スタジアムの敷地内にある。仮設コースではあるが、当初から“常設”の感じを意識して設計された。
現在、5.412kmのレイアウトには19カ所のコーナーと3カ所のストレートがあり、DRSゾーンは3カ所設置可能で、トップスピードは時速320kmになると推定されている。ターン13と16にかけては大きな高低差があり、コースは高速道路の出口ランプの上や、起伏のある地面に立つさまざまな高架道路の下を通る。ターン14から15のシケインは上り坂の途中に起伏があり、出口に向けて下がっていくようになっている。
しかしこのレイアウトは、初開催時にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がシャルル・ルクレール(フェラーリ)を追い抜いて優勝を飾ったものの、オーバーテイクの機会を減らすとして批判を受けた。F1コミッションの関係者の話として、『Racingnews365』は、改修はターン14から15のシケインに集中しており、完全に再整備されるだろうと伝えている。
目的は、高速道路の高架下を走るマシンのスピードを上げることだ。フリー走行中にエステバン・オコン(アルピーヌ)がクラッシュして大きな批判を浴びたターン14出口のウォールも、改良される予定だ。オコンはここでのクラッシュでシャシーを損傷し、予選に出場することができなかった。
来年の開催までにコース全体にわたって再舗装が行われ、セクター1の高速コーナーには、多数のランブルストリップスが設置される予定だ。こうした変更は、このイベントの代表タイラー・エップが、ドライバーからのフィードバックに耳を傾け、彼らの提言に基づいて対処すると約束したことを受けて行われる。
「我々はF1とFIAおよびドライバーたちからフィードバックを受けた。コースのある場所を改善するのに彼らの意見をもとにしている」とエップは当時『Racingnews365.com』に語っている。
「我々は様々な関係者とともに、コースの改善できる場所と内容を検討している。そうするにあたって、特に現時点での建設的な批判に耳を傾けている」
この動きは、現世界王者のフェルスタッペンが、F1カレンダーにある多数のストリートサーキットについて改めて批判したことを受けてのものだ。ストリートサーキットにはサウジアラビア、アゼルバイジャン、ラスベガス、モナコ、カナダ、オーストラリア、マイアミがある。
「僕はもうストリートサーキットが好きではない。いっそう大きく重くなった新世代マシンに向いていないのは確かだ」とフェルスタッペンはオランダのモータースポーツウェブサイト『Formule1.nl』に語った。
「F1マシンはそのために作られていない」とフェルスタッペンは説明した。確かにいっそう大きく重くなった新世代マシンには向いていないだろう。旧仕様のマシンならまだ走行は容易だった。
「モナコとシンガポールでは、市街地での新マシンの走りにとてもがっかりした。重すぎるし硬すぎる。縁石に乗ることなんてもうできないよ」
「マシンはそのために作られていないんだ。ストリートサーキットは見た目は楽しいだろうが、レース向きではない」
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