「甘く見ていた」もてぎ戦でのGRスープラ、3台トラブルの背景。12月の冬場でのエンジンとタイヤの注意点
スーパーGT今季の最終戦(延期された第5戦)鈴鹿、GT500クラスのチャンピオン争いは実質的に36号車au TOM’S GR Supraが圧倒的な差で大勢を決している状況だが、唯一心配されているのが、前回の第8戦モビリティリゾートもてぎで3台のGRスープラに発生してしまったエンジン関連のトラブルだ。そのトラブルの要因とともに、低気温でエンジンのパフォーマンスが上がって負荷が高くなる今回の鈴鹿の対策についてトヨタ陣営の開発を担うTCD/TRDのエンジン開発担当、佐々木孝博エンジニアに聞いた。
「最終的には点火系にトラブルが出て壊れてしまったという状態でした。そこに至った理由やプロセスなども、いろいろな実験とか調査、解析を行いましてほぼほぼ主要因はわかっていますので、今回の鈴鹿の向けては再発しないように準備して持ち込んできています」と、まずは前回の原因を話す佐々木エンジニア。
第8戦もてぎでは、37号車Deloitte TOM’S GR Supraにレース前から不調が発覚し、レースでリタイア。その後に19号車WedsSport ADVAN GR Supra、そして14号車ENEOS X PRIME GR Supraの3台にトラブルが発生してしまった。
そのレース直後から、各チームに謝罪する佐々木エンジニアの姿が見られた。佐々木エンジニアは今回のトラブルに至った背景についても言及した。
「今シーズン、特に2回目の富士戦で最高速でビハインドがあるというところから、車両とパワートレインの両方でトップスピードをしっかり出せるよう準備して、毎戦毎戦、性能向上に取り組んできました。我々開発している側からすると、ストレス/ストレングスという強さ/耐性面でしっかり考えて進めていたのですけど、レース中に起こるストレスという部分を少し甘く見ていた。部分的に負荷がかかっていたことが、しっかりとは想定できていませんでした」
「トラブルが出た車両と出なかった車両の分析結果も出てきています。その詳細はコメントはできないですけど、レース中のどこを走っているかによって、エンジンの回転頻度と僕らは言っていますが、その場面によってトラブルが起きやすい環境、起きにくい環境という部分まで原因はつかめています」
第8戦もてぎでは36号車au TOM’Sが優勝を果たしてチャンピオンシップを圧倒的優位な状況を築いたが、この36号車にも同様のトラブルが発生する可能性があったとのことで、トヨタ/GR陣営としては不幸中の幸だったのかもしれない。
また、もてぎ戦では練習走行、予選とウエットで、快晴のドライとなった決勝日とはコンディションがまったく異なり、事前に確認できる走行時間がほとんどなかったことも、トラブルの大きな要因のひとつとなってしまったようだ。今回の12月の最終戦鈴鹿は、低気温で空気の密度が高くなることからエンジンのパフォーマンスは上がり、負荷も高くなる。
「今回、いわゆるPmax(最大燃焼圧)は温度が低いほど上がってくるので、ノッキングはしにくくなりますけど、燃焼圧が高くなります。今の規定の中ではある程度のPmaxの限界線は見えてくるので、限界管理がどこまでできるのかが攻めどころになると思います。精度の高い燃焼圧予測をしながら現場でしっかりと管理できれば、自ずと性能は出し切れると思います」と佐々木氏。
今回の鈴鹿戦でも、エンジン/パワーユニットのトラブル、そして低気温での対策にはTCD/TRDとして、十分な配慮と自信が伺える。フロント構造物の低重心化で車両特性としても2024年型GRスープラは鈴鹿を得意としているだけに、GRスープラが上位を占める圧倒的なパフォーマンスを見せる可能性も考えられそうだ。
12月の異例のコンディションでの開催への配慮として、今回の鈴鹿の予選ではGT500の予選がGT300より先に行われ、セッション時間も5分延長される。その理由としては、1020kg以上と規定されているGT500マシンより、GT300マシンは1180〜1384kgと車両重量が重いことからタイヤの温まりはGT300の方が早いため、気温が高い時間にGT500の走行を合わせたことによる。
さらにGT500の予選時間を5分延長して、タイヤのウォームアップのしにくさに備えている。持ち込みのセット本数も従来の300kmレースでは4セットだが、今回は特例として1セット追加の5セットの持ち込みセット数となる。低気温でタイヤの内圧が上がりづらいことが予想され、タイヤの内圧が低い状態でタイヤのサイドウォールへの負荷が高い走りをしてしまうと、タイヤの構造が壊れてしまう可能性も高まる。ドライバーにとってはアウトラップでの走り始めは、いつも以上に気を遣う瞬間になりそうだ。
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