同期の角田裕毅に刺激を受けた笹原「僕もいつかはF1に」。大津「フェルスタッペンの気合いを感じた」
12月12日に開催された2021年シーズンのF1最終戦となる第22戦アブダビGP。マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が、ファイナルラップでまさかの逆転を果たし、自身初のワールドチャンピオンに輝くと同時に、2021年シーズンをもってF1を離れるホンダにとって30年ぶりとなるドライバーズタイトル獲得した。
そんなF1の興奮冷めやらぬなか、12月19日に東京都新宿区の明治神宮外苑特設コースにおいて開催されたレッドブル主催のモータースポーツイベント『Red Bull Race Day(レッドブル・レースデイ)』にて、4輪からは2021年に国内でレッドブルカラーのマシンのステアリングを握った大津弘樹、笹原右京、大湯都史樹という3人のホンダドライバーがデモランを実施。イベント後、アブダビGPでのフェルスタッペン&レッドブル・ホンダの大逆転タイトル獲得、そして4位入賞を果たした角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)の走りから受けた“刺激”をそれぞれが語ってくれた。
「一言で言えばめちゃくちゃ嬉しい……ですね。そして僕自身としても、レッドブル・ファミリーとしても嬉しい結果だったと思います」と嬉しさを噛み締めるように話したのは、2020年にTEAM Red Bull MUGENに加入して以来、レッドブルカラーでスーパーGT GT500クラスを戦う笹原右京だ。
笹原と大湯はF1アブダビGPで自己最高位となる4位入賞を果たす活躍をみせた角田裕毅とSRS-F(鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ)の同期という関係だ。それだけに、ともにミドル・フォーミュラから切磋琢磨してきた身近な存在である角田の活躍は、良い刺激になったと笹原は語る。
「裕毅とは同期で、ともに切磋琢磨してやってきたので、いい刺激をもらっています。今は裕毅がF1に乗っていますけど、僕もいつかは……。やはり、F1はみんなが目指しているところなので、絶対にいつかは……。彼と一緒にレースして、ともに優勝争いができたらと思いました」
同じく角田とはSRS-F同期である大湯都史樹は「レッドブル・ホンダの執念というか……。フェルスタッペンの気迫のある走り、そしてホンダのPUがメルセデスに対して良かったからこそ、あの最終ラップのバトルに繋がったのだと思います。裕毅のファイナルラップのオーバーテイクも含めてですけど、やはりPUに対し絶対的な自信を持っていないとできないことだと思いました」
「ホンダは素晴らしい仕事をして、レッドブルはもちろん……いつもながら勝つためには手段を選ばない姿勢にはすごく刺激を受けました。裕毅もデビューイヤーの最後に良いかたちでシーズンを終えられたので、来季に向けてもいい流れで行けるのではと感じました」と分析しつつ、海外で戦う同期の仲間へ向けた期待の念を口にした。
■同じレッドブルカラーという責任感。常に刺激を受けたと語る大津弘樹
2021年シーズンより、スーパーフォーミュラにフル参戦を果たすと、デビューから7戦目にして初優勝を獲得。当年のルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた大津弘樹は「ドライバーとして、あの最終戦のレースは特に。フェルスタッペンの気合いとか、熱量。チャンピオンを獲るぞっていう思いがものすごく画面から伝わってきました。それがレッドブルのスピリットじゃないですけど……そういったものを感じるレースでしたね」と語る。
「僕もこの1年間、同じレッドブルカラーで、走らせてもらって。F1と同じカラーリングだし、Red Bull MUGEN Team Gohというものすごくハイレベルなチームで走らせていただいたので。その責任感だったり、ちゃんと結果を残さないとと、気を引き締めたシーズンでした。F1だと常にレッドブルがタイトル争いを繰り広げるなか、同時進行で僕もレースをしていたので。僕もそれに引けを取らない結果を残さないと……と、常に刺激をもらっていました」
また、2013年にSRS-Fを受講した大津は現在、SRS-Fの講師のひとりとして受講生と向き合う立場にある。2021度のスカラシップは荒尾創大と野村勇斗が獲得しているが、彼ら受講生たちと向き合った経験からも大きな刺激を受けた1年だったと語る。
「彼らは経験がなく、15歳前後とかなり若いですよね。この1年間、僕も結構な回数一緒に走らせてもらっていたのですけど、日を追うごとに上がるみんなのレベルの上がり幅がすごく大きくて。物事の吸収していくスピードの速さには、若いから、という理由もあるのでしょうけど、とにかくすごく速いです」
「もちろん失敗や、まだまだ詰められるところは各ドライバー個々にあるとは思うのですけど、それでも彼らはここから10シーズン走っても僕の年齢(27歳)にまで達しないので。そういうことを考えると、これからどんなドライバーになっていくのか、というのがすごく楽しみです」
「ただ、それと同時に僕はSRSでは先生のひとりという立場ですけど、現役ドライバーでこれからも上をどんどん目指していく立場です。だから、そんなにうかうかして彼らを見守っている、というわけでもないです。彼らに背中を見せ続けられるようなドライバーにならないと、そう思わせてくれるドライバーたちだと思います」
まさに劇的なレースだったと言えるF1アブダビGPの決勝レースを通して、“国内のレッドブル&ホンダ”ドライバーも一様に普段のレースとは一味違った刺激を受けたと語った。その内容もそれぞれ異なるが、新たな刺激を受けた3人が、迫る2022年シーズンにどのような走りを、戦いを見せるだろうか。新たなシーズンの開幕が今から待ち遠しいところだ。
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