アルピーヌでのWEC参戦を決めたシューマッハー。“F1との繋がりがあること”を重視したと明かす
ミック・シューマッハーは、アルピーヌがF1と強固なつながりを持っていることが、2024年に彼らのWEC世界耐久選手権チームに加入する決断をくだす際に重要な要因となっていたことを認めた。
シューマッハーは2021年にハースからF1デビューを果たし、2022年末にチームから放出されるまでに43レースに参戦した。ハースF1のチーム代表ギュンター・シュタイナーは、シューマッハーの事故が多すぎてチームの限られた予算に悪影響が及んでいると判断し、彼の代わりにより経験豊富なニコ・ヒュルケンベルグを起用することを決めた。
2023年シーズンよりメルセデスのリザーブドライバーとなったシューマッハーは、F1復帰の望みを持ち続けた。つまりルイス・ハミルトンかジョージ・ラッセルが欠場する場合は、シューマッハーが第一の代役候補だということだ。2024年はメルセデスのリザーブ兼開発ドライバーの役割に加え、シューマッハーはアルピーヌからWECに出場することでレースに復帰する予定だ。これによりF1へ戻るためのもうひとつの可能性となるルートができた。
「今年はレースができなくて本当につらかった。子どもの頃から大好きなことだからね」とシューマッハーは語り、次のように認めた。
「他のドライバーたちがコースに出ていくのを見ているのが難しいときもあった」
シューマッハーは、スポーツカーは彼にとって新たな経験になるだろうと指摘した。彼はF1に参戦する前はFIA F2やF3ヨーロピアン選手権など、オープンホイールのシングルシーター選手権でキャリアを積んできた。
「僕はシングルシーターで育ってきたので、閉じたコクピットとホイールがカバーされたマシンをドライブするのは、自分のドライビグスキルを磨く素晴らしい機会だ。僕にとってアルピーヌでの新しい章が始まっている」
WECにおいて、アルピーヌはフェラーリと同じくF1にも参戦しているチームであるため、現在のピエール・ガスリーとエステバン・オコンのフルタイムのシートに空きが出た場合、シューマッハーはアルピーヌの注意を引くことになるだろう。
「F1との関連性は間違いなく興味深い要素だと思う」と今週シューマッハーはメディアに語り、2024年の計画を立てる際にそのことを考慮したと明かした。
「メルセデスでリザーブドライバーを務める一方で、アルピーヌからWECに参戦する。そしてアルピーヌはF1にも参戦している。この体制全体が素晴らしいと感じている」
F1と耐久レースの大きな違いは、マシンは複数のドライバーで共有され、個人として傑出するよりもチームの努力によって結果が決まるところだ。シューマッハー以外のアルピーヌのドライバーラインアップは、フランス出身のニコラ・ラピエール、マシュー・バキシビエール、シャルル・ミレッシ、ポール・ループ・シャタン、そしてオーストリア出身のフェルディナンド・ハプスブルクとなっている。シューマッハーは、WECで力強いパフォーマンスを発揮できれば、彼らも注目されるだろうと確信している。
「そこにいる誰もが、そしてある意味ではF1もそうだと思うが、個々のドライバーのパフォーマンスを今も見ている。その意味では、F1やあるいは他のチームで引き合いに出されるようになるだろう」
「結局のところ、チームとマシンから最大限の力を引き出すために常に貢献しなければならない。『大丈夫、このドライバーたち(チームメイト)と一緒だから、僕はリラックスできる』というようなものではない」
「並外れて素晴らしい仕事をしたら、人々はさらに認めてくれるだろう」
2024年シーズンのWECは、6月のル・マン24時間を含め8戦で構成され、3月にカタールで開幕し、11月にバーレーンで終了することが発表されている。
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