『天下一品』と『ピザハット』のコラボ「こってり風ラーメンピザ」は旨いのか？ 実際に食べてみた！

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●『ピザハット』と『天下一品』がコラボしたピザ「こってり風ラーメンピザ」を食べてみた

　1978年（昭和53年）に日本初上陸を果たして以来、長年に渡って愛され続けているアメリカ発の人気ピザチェーン店『ピザハット』より、衝撃の期間限定コラボレーションピザ「こってりラーメン風ピザ」が登場。1月23日の発売開始以来、ピザ好きとラーメン好きの双方を混迷の渦に巻き込んでいます。

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　コラボのお相手は、ポタージュとも評される超濃厚スープ「こってり」がお店の代名詞にもなっている超人気ラーメンチェーン『天下一品』。今回のピザはその「こってり」を”ピザ化”。スペシャルクリスピー生地をベースにモッツァレラチーズとゴーダ—チーズを使い、ラーメンの麺とチャーシュー、刻みネギをピザの全面にトッピングし、別添えの「こだわり こってり風ソース」をかけていただくという、こってりラーメン風”ピザです。とにかく、ピザとしては前代未聞の構成となっております。

こちらが現物。「こってり風ラーメンピザ」1980円（税込）。サイズはMのみで、各種割引やクーポンは適用対象外。ラーメンソースなるものが付いています

　ピザも好き、そして『天下一品』のラーメンも本店の味を楽しめる直営店「高円寺店」でしか食べないくらいに好きという筆者にとって、今回のコラボはある意味“夢の最強タッグ”といっていいはずなんですが、ナゼか不安ばかりが先に……。いや、この際ハッキリ言い切ってしまいましょう。このコラボピザは果たして美味しいのか？　それともアカン組み合わせなのか？　実際に食べてみて、忖度抜きのガチジャッジメントを下してみたいと思います！

これは脳がバグる！？「こってり風ラーメンピザ」

明らかに「麺とチャーシュー」なトッピング。香りもラーメン感ありまくりです

　各種割引が適用外＆デリバリーだとシステム的にオーダーから最低1時間待つということで、スマホでオーダーし、指定の時間に自宅から自転車で10分ちょいのお店で直接受け取るルートを選択。ちなみに最近のピザ店ではスタンダードになった「持ち帰り半額」も今メニューでは適用外です。

　前置きが長くなりました。無事に購入手続きを済ませ、行きも帰りも寄り道せずにお店と家を往復。テーブルにピザの入った箱を置くと、フタも開けていないのにラーメンチックな香りが漂ってきます。期待と不安を胸にいざ箱をオープン。何だこれ！　ピザの上に麺とチャーシューがすげえ乗ってる！　色味といい、より強く感じる香りといい、スープがないこと以外は想像以上のラーメンです（ピザなのに……）。

付属のラーメンソース

　まずはフタの上に貼られていた、こってり風ソース（ラーメンソース）を軽く味見してみます。封を切ってひと口。この甘味と動物性の濃い旨みは、確かにラーメンのスープに入っているような味わいです。『天下一品』の「こってり」のスープの雰囲気は、遠くではないけど近いわけでもない絶妙な距離感があります。

ピザの中にラーメンが確実に存在。摩訶不思議だけど…美味しいんです！

　ソースの確認を終えたところで、先にピザだけ食します。既に切れ目が入っていて、簡単に8分の1カットが手に取れます。では、いただきます！　最初に感じたのは麺の細くてぷにっとした食感と、ほんのりネギの味。チージーさはないけどチーズから来ているであろうコクと旨み…いや、ラーメンスープ的な旨みと土台のピザ生地の味わいなのか？　チャーシューは薄切りで下味がついており、まさに「ラーメンのチャーシュー」な味わいです。

　端（外縁側）はピザ生地のクリスピー感が残り、香ばしさとサクサクした食感。麺にも焦げが入り、中央部とはまた違う乾いた食感になっています。何だろう、ピザを食べたはずなのに全くピザを食べた気がしない。ラーメン味の焼きそばパン、それもすごく美味しいやつをペロッと平らげた感覚です。そう、美味しいんです……。

ソースは甘味の中にコクと旨みがしっかり感じられる“こってり”テイスト

　続いて2枚目。今度はこってり風ソースをかけていただいてみます。ソースの甘味とコクのある旨み、ソース自体の水気が、ピザのラーメン的な旨みと味わいをどんと強化させる感じでしょうか。「美味しんだけど…自分、今何を食べてるんだっけ？　ああ、ピザか！」っと何を言ってるんだと思われるかもしれませんが、もう“ピザのような何か”を食してる感じです。そして、食べ終えるとすぐにもう1枚食べたくなってしまう不思議な感覚です。

とても不思議な感覚になるピザ。でもなぜか旨い！

　ひとりで食うには決して少なくはないMサイズのピザを、気が付けばあっという間に半分を食べ、レンチンで温め直して残り半分もあっという間に完食。結局、最後まで何ともいえない不思議な感覚から抜け出せませんでしたが無事完食。ごちそうさまでした！

　食べている間は常に「何だろう、何だろう……？」と小首をかしげつつも、後を引くラーメン風もテイストにすっかり魅了された筆者。正直なところ「『天下一品』のこってり」感はなく、たっぷり乗っているはずのチーズも、ラーメンテイストが完全に上書きして存在感がない状態になっていたんですが、その辺を差し引いても十分にお釣りが来る美味しさを感じさせてくれました。「ピザのようでピザじゃない……」。食べ終えてからも結構な時間、未だにふわっとした感覚が残っています（苦笑）。

　ちょっとした集まりやパーティーなどで、普通のピザと一緒にこのピザがあればひと盛り上がりふた盛り上がりすること間違いなし。もちろん、筆者のように1枚丸々独占しちゃってもオッケーです。この機会にぜひ「こってりラーメン風ピザ」を食べて、美味しさと困惑の時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

（撮影・文◎河西まさあき）