NHK『あさイチ』の「ツイQ楽ワザ」で紹介された<リボべジ>とは?無理な節約はなし!主婦を中心に実践者が増加中
2025年5月20日(火)8時30分 婦人公論.jp
キッチンの窓辺で「リボべジ」を楽しむ。緑が目に優しい(写真提供◎そらのかおりさん)
2025年5月20日放送『あさイチ』の「ツイQ楽ワザ」コーナーでは、野菜の根や芯などの切れ端を育てて収穫する再生栽培(リボベジ)を紹介。初心者でも挑戦できる、豆苗以外のオススメ野菜・育て方のコツとは。他にも、種から水耕栽培で育てるベビーリーフや、道具選びから発芽までの過程も解説。そこで、豆苗やチンゲン菜などのさまざまな野菜でリボベジを行っているそらのかおりさんの取材記事(『婦人公論』2024年1月号掲載)を再配信します。
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財布の紐を締めてケチケチ買い物をすると、なんだか心が荒みがち。どうせ使うなら何かお得感があるものを探してみては? 生活の達人たちが実践する極意とは──
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ふるさと納税は要注意!
「貯め活」とは、上手に消費して、上手に貯めることを指すらしい。無理な節約はせずに、楽しみながら家計にゆとりをもたらすことができるなんて! 厳しい家計に悲鳴を上げている筆者も、そのワザを学んでみたいと調べてみた。
「貯め活」の代表格は、「ふるさと納税」だろう。好きな自治体に寄付をすると、自己負担額の2000円を引いた控除上限額内の全額が、その年の所得税と、翌年の住民税から控除される。さらに自治体から返礼品として、地元の名産品や日用品などが届くとあって、幅広い層が利用しているようだ。
ただ、私は「ふるさと納税」に二の足を踏んでいる。実質2000円の負担でお目当ての品を手に入れられるため、コスパは最高。ただしどれだけお得なのかは収入による。収入が一定以上ないと、税金の控除も大して受けられず、私には手間の割にお得だと感じられなかった。
とくに、65歳以上で年金を含めた年収が150万円以下の場合、寄付額はすべて自己負担になってしまう。また、条件によっては確定申告が必要になる場合もある。シニア世代は事前に調べてから始めないと、お得どころか損をするので、注意が必要だ。
もう少し気楽に楽しめるものはないだろうか? 調べてみると、「リボべジ」という単語が目に飛び込んできた。
野菜のヘタを育ててもう一度収穫を
リボベジとは「リボーンベジタブル=再生野菜」の略で、食べ終わった生の野菜の根やヘタから再び食べられる部分を育て、収穫すること。経済的に助かるのはもちろん、眺めているだけで癒やされると、主婦を中心に始める人が増えているそうだ。
「きっかけはパイナップルでした。小さなパイナップルを食べ終えた後、ヘタがかわいいので水に浸けて飾っていたんです。すると根が生えてきたので、これは面白いなとハマってしまって……」と語るのは、2年前からリボベジを始め、その成長の様子をユーチューブやSNSで発信している、そらのかおりさん(52歳)だ。
「最初は水に浸けた野菜のヘタをキッチンの窓辺に並べ、葉が生えてくるのを楽しんでいました。その後、それが『リボベジ』と呼ばれることを知り、情報を収集して、豆苗や小松菜、チンゲン菜、ルッコラ、大根などを試すようになったんです」
茎から根が生え葉が伸びてきたら収穫し、炒め物やオムレツの具として活用しているかおりさん。野菜の値段が高い今、家計にもプラスなのでは?
「大量には収穫できませんが、夫と2人暮らしのわが家にはちょうどいい量ですね。何より窓辺に緑が並んでいる姿がかわいくて、インテリアとしても気に入っています」
チンゲン菜を牛乳パックで再生(写真提供◎そらのかおりさん)
用意するものは、基本的に器と水だけ。器はジャムなどの空き瓶や空き缶、牛乳パック等を再利用するほか、野菜のサイズによっては100均で購入したバケツも使う。栽培場所は少々日当たりが悪くても問題なく、むしろ日が当たりすぎると水が傷んでしまうのだとか。
「再生自体は1〜2回が限界なのですが、クレソンの伸びる速度と量には驚きました。試しに水耕栽培用のハイドロボール(土の代わりに使用するボール状の人工石のこと)で育ててみたところ、次々に葉が伸びて無限に採れたんです。葉ものの水耕栽培は秋から春先がベストシーズン。今が始めどきですよ」
かおりさんが「毎日実験をしているようで、楽しくって」と語るのを聞いていると、私も始めたくなってきた。
「植物の生命力って本当にすごいんです。ヘタや茎から根や葉が出てくるのを眺めていると、パワーがもらえて元気が出ます。来年は豆苗から採れた種で、サヤエンドウを育ててみようと計画しています」
育てる楽しみはプライスレスだとも言える。リボベジのきっかけになったパイナップルも、いまだ健在。葉っぱも大きくなったので、来年は実をつけるのではと期待しているそうだ。
<後編につづく>