同一労働同一賃金、対応が進む業界1位は「運輸・倉庫」 最下位は「農林・水産」
帝国データバンクは2月27日、同一労働同一賃金に対する企業の対応状況調査の結果を発表した。調査は、今年1月に実施。全国の1万405社から回答を得た。
同一労働同一賃金の対応状況について、これから対応する予定を含め「対応あり」と回答した企業は59.2%となった。一方、4社中1社は「わからない」(26.9%)と回答した。
「同一労働かどうかを明確に判断するのは難しい」同一労賃への「対応あり」とする企業を規模別にみると、「大企業」が63.3%、「中小企業」が58.1%、「小規模企業」が48.3%となった。対応を進めている企業からは、
「同一労賃の影響で企業の負担が増える。設備投資を控えるなどの対応が考えられる」(化粧品小売、東京都)
「同一労賃による労務費負担増などの影響により、倒産する中小企業が増加することも考えられる」(飲食料品・飼料製造、香川県)
といった企業側の負担を危惧する意見が多数みられた。「わからない」と回答した企業も「同一労働かどうかを明確に判断するのは難しい。今後法改正に対応し具体的にどうアクションできるか不安」(看板・標識機製造、群馬県)など対応に悩む様子がうかがえる。
「工場の製造ラインで完全に同じ仕事、というような場合以外は当てはめにくいと思う」また、「対応あり」とする企業を業界別にみると、「運輸・倉庫」が最も多く72.3%となり、「同一労賃の考え方は、以前から運送 事業では多くの事業者が導入している」(一般貨物自動車運送、埼玉県)といった声もみられた。
以降、「サービス」(67.5%)、「製造」(61.2%)、「小売」(58.1%)、「金融」(55.6%)、「卸売」(54.3%)、「建設」(54.0%)と続く。「農・林・水産」(45.1%)や「不動産」(49.8%)は半数以下となった。同一労賃については、
「同一労賃が適用されると、正規雇用者のやる気が低下する懸念があり反対」(木製家具製造、福岡県)
「工場の製造ラインで完全に同じ仕事、というような場合以外は当てはめにくいと思う」(かばん・袋物卸売、兵庫県)
といった声が寄せられており、制度推進のための支援等が必要だと言える。
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