「"家事はきちんと"なんて無視していい」 林修の提言に「よく言ってくれた!」と賛同の声相次ぐ
予備校講師でタレントの林修さんが3月4日、「林先生が驚く初耳学」(毎日放送)で「『家事はきちんと』なんて無視していい」と主張し、話題を呼んでいる。
日本人の女性は「家事をきちんとしないといけない」という意識が強いが、それによって辛い思いをしている人もいるのではないかと問いかけている。
朝食は家でしっかり食べる、という考え方も政府による刷り込みか
番組で紹介された『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』(佐光紀子=著)という著作によると、家事をきちんと用意しなければならないというのは、戦後に行われてきた「政府による刷り込み」なのだという。
朝ごはんについては、和食が理想だという考え方がある。しかこれは、農林水産省が「朝ごはん」が大事だと呼びかけ、地方自治体が"朝ごはんを毎日食べよう"という趣旨のキャンペーンを実施、さらに主婦雑誌が朝ごはん特集を繰り返してきた結果だという。
しかし専業主婦世帯が減少傾向にある一方で、共働き世帯が増加を続け、1992年には共働き世帯が専業主婦世帯を上回った。働きながら「きちんと」した食事を用意するのは、大変だ。林さんは、
「『きちんと』は呪縛になっているのではないか。そこでツラい思いをしている人もいるのではないか」
と問題提起していた。
タレントで母親でもあるギャル曽根さんからは「朝からきちんと食べないと学校でボーっとするのでは?子供たちにはきちんと食べさせないと」という声が上がった。しかし経済協力開発機構(OECD)の調査で、学力世界一のシンガポールでは、朝食も夕食も屋台で済ませることが多いという。家庭で食事を取らなくても、学力は問題なく伸ばせるということだろう。
日本では、炊事以外の家事もきちんとしようという意識が強い。1日に3回以上食器洗いをすると答えた人の割合は、日本が最も高く55.5%だった。しかし2位のイギリスでも27.3%に留まっており、スウェーデンではわずか7.7%だ。
「こう言ってもらうと気持ちが楽になる」
この番組はネットでも話題となり、「よく言ってくれた!」「こう言ってもらうと気持ちが楽になる」といった声が相次いでいた。
「育児してると夕ごはんを『きちんと』作れなくて、買ってきたお惣菜とか足しちゃうけど、それでいいんだ!林先生ありがとう!」
実際、日本人女性が家事や育児に費やす時間は諸外国よりも長い。内閣府の資料によると、6歳未満の子供を持つ女性が1日に家事・育児に費やす時間は、日本7.41時間に対して、ドイツ6.11時間、アメリカ5.39時間、ノルウェー5.26時間となっている。共働き世帯が増える中、家事をもっと簡略化した方が良いのかもしれない。
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