レイプドラッグ被害「衣服から犯人特定できる可能性。なるべく洗わず持参して」 内閣府が呼びかけ
薬物やアルコールで意識をなくされ、性犯罪・性暴力に遭う例が後を絶たない。Me tooのハッシュタグが広がるきっかけとなった伊藤詩織さんの件でも、アルコールにデートレイプドラッグが混ぜられたのではないかと指摘されている。
内閣府は2月、こうした性犯罪の事例や相談窓口、相談時のポイントをホームページに掲載した。薬を用いた被害事例には、
「トイレに立った後、残っていた飲み物を飲んだら、意識がもうろうとし、気が付くと服を脱がされた状態で、ソファーの上に一人で取り残されていた」
「よく効く頭痛薬だとすすめられて飲んだら、気持ちが悪くなって、体が思うように動かなくなり、服を脱がされて複数人とセックスさせられた。またその様子を、動画に撮られた」
などのケースが紹介されている。
いつもより少ない量で酔う、記憶が途切れるなどは「薬物の影響の可能性」
薬を使わず、アルコールだけで意識を失わせようと企む人もいる。「お酒をすすめられ、断れずに飲み続けていたら、身体がだるくなり、気が付くと複数の人に囲まれ、胸や下半身を触られていた」という被害事例がこれにあたる。
内閣府によると、記憶が途切れていたり、いつもはしないような行動をしたり、普段は酔わない量のアルコールで酔ったりする場合は、「薬物やアルコールの影響による可能性がある」という。一時的に意識が戻っても、薬やアルコールの影響で、逃げたり抵抗したりするのは難しい場合もある。こうした場合にも、
「そのような状況でセックスしたことで、同意があったとみなされるのではないかと思うかもしれませんが、そのことで自分を責める必要はありません」
と呼びかける。
薬は数時間から3日で体外に排出されるので最寄りの機関に早めの相談を
相談窓口は2種類ある。1つは警察の管轄で、「#8103」にかけると、最寄りの都道府県の性犯罪被害相談窓口につながる仕組みだ。もう1つは「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップセンター」で、産婦人科やカウンセリングなどの専門機関とも連携している。2017年11月の時点で41都道府県に設置されていて、相談受付時間やサポート内容はセンターごとに異なる。
薬の種類によっては数時間から3日前後で体外に排出されてしまうため、証拠確保のためには、なるべく早く検査をする必要がある。また、衣類や身体から犯人を特定できる可能性があるため、衣服が残っている場合はなるべく洗わずに持参するよう勧めていた。
相手が抵抗できない状態で性交やわいせつな行為に及ぶことは、強制性交等罪や強制わいせつ罪に当たる。前者であれば5年以上、後者では半年以上10年以下の懲役が課せられる。
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