魔女の宅急便に「熊本電鉄」が登場するって本当? ネット注目の噂、ジブリに真相を聞いた
宮崎駿監督のアニメ映画「魔女の宅急便」(1989年)。異国情緒漂う海の見える町を舞台に、魔女見習いの少女・キキの成長を描いた物語だ。
その劇中に登場する路面電車に、「KUMADEN」という文字が書かれているのをみなさんはご存じだろうか。キキが乗った赤い路面電車の車体に、「KUMADEN」のボードが付いているのだ。
この表記についてネット上では、熊本のローカル線・熊本電気鉄道(熊本電鉄、本社:熊本市)を指しているのではないかと以前から噂されている。KUMADEN→くまでん→熊電→熊本電鉄ということらしいが...。
こうした噂は本当なのだろうか。Jタウンネットは、スタジオジブリを取材した。
「公式」ではないが...
地上波で「魔女の宅急便」が放送されるたびに注目を集める「KUMADEN」の謎。2020年3月27日の「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)の放送後も、多くのツイッターユーザーが言及していた。
そうしたネット上の書き込みでは、熊本出身のスタッフが遊び心で書いた「KUMADEN」という文字がそのまま採用された——などとされている。しかし、情報源がわからないため、真偽は定かではない。
もしそれが本当だとしたら...スタッフの熊本愛と監督の寛大な心に脱帽だ。
こうした噂について、Jタウンネットが4月13日、スタジオジブリ(本社:東京都小金井市)の広報担当者に取材すると、
「たしかに作中で(熊本電鉄を)匂わせる部分があったかもしれませんが、公式でそのような発表はしておりません。社内共有もされておりません」
なんだ想像力豊かな誰かの妄想だったのか、残念...と思うのはまだ早い。担当者は次のように続ける。
「別の作品では、スタッフの出身地を意識したものや他の作品の登場人物が登場していることはあります」
おや...。公言していないとはいえ、可能性が0とは言い切れないようだ。
熊本電鉄「大変嬉しく思います」
ちなみに、熊本電鉄の側は何か知っていたりするのだろうか。17日、鉄道事業部に聞いたところ、
「許諾など、そういった話はありません。ただ、KUMADENと書かれていることは(社内では)みんな知っています」
とのこと。熊本電鉄が路面電車のモデルになっているかはわからないが、存在自体は耳にしているようだ。
熊本電鉄公式サイトの「車両紹介」のページを見ると、現役の車両から過去に走っていた車両まで5種類が紹介されている。その中から魔女の宅急便の路面電車に近そうなビジュアルのものを探してみたが...いかがだろうか。
1928年に製造され、54年に熊本電鉄が譲り受けた「モハ71」。現在は車庫で保存されている。正面から見た3つの窓が、どことなく似ている気がする。
魔女の宅急便をめぐる噂について、担当者は次のようにコメントした。
「世界中で愛されている作品ですので、作中のKUMADENが弊社のことでしたら大変嬉しく思います。ご興味を持たれた方は、安心して外出できるようになりましたら、ぜひ電車に乗りにいらしてください」
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