ゲーム依存、防止には「現実で接点を持つこと」専門家が指摘 ネットは「ガチ勢かエンジョイ勢かが分岐点だと思う」
世界保健機関(WHO)は今年5月、オンラインゲームやテレビゲームに没頭しすぎて日常生活に困難が生じる「ゲーム障害」を精神疾患として正式に認定した。7月13日の「田村淳の訊きたい放題」(MX系)では、ゲーム障害について出演者が議論を交わした。
東京大学教授の橋元良明氏はゲームに依存してしまう人の特徴として、「『ストレスから逃れたい』とか『現実に居場所がない』という人がゲーム依存になりやすい」と解説する。そのゲームが楽しくて没頭してしまう分には問題ないが、ストレスのはけ口や居場所を求めるためことを目的にゲームをするのは危険だと語った。(文:石川祐介)
支援団体「ゲームにハマる人は心に傷や穴があり、人と積極的に交流することが難しい」
橋元氏はゲーム依存に陥らないためには「現実で接点を持つこと」と主張する。ゲームでしか自分の価値を見出だせずストレス発散ができないと、ゲーム依存のリスクが高まる。そのため、ゲーム依存から抜け出すためには、現実世界に居場所を作る必要があると訴えた。
アルコールやギャンブルの依存回復支援を行うワンネスグループの三宅隆之氏は、「ゲームにハマる人は、親密な人間関係を構築するのが苦手。心に傷とか穴があるため、積極的に交流することが難しい」とも指摘した。
司会の田村淳さんは、
「eスポーツ関連の仕事をやってるんですけど、eスポーツのイベント会場に行ったらゲームをやってない人もコスプレしたり、集まってゲームの話をしている」
と明かす。eスポーツではゲームを通してコミュニケーションができるため、「eスポーツの普及=ゲーム障害の人を増やす」という考えは安直だ。
むしろゲームがキッカケで友達ができた人も多いだろう。ゲームそれ自体を悪者扱いするのではなく、その人が"何を目的にゲームをするのか"という視点が、eスポーツが浸透しつつある今の時代に求められそうだ。
「自分は何のためにゲームをしているか」定期的に振り返っては
ネット上には、「ガチ勢になるかエンジョイ勢になるかが分岐点だと思う」という意見が寄せられた。ゲームを楽しむ・ゲームを通して友達と交流することを楽しむことを目的とする"エンジョイ勢"であれば問題ないが、勝つことにこだわりすぎる"ガチ勢"の中には、現実での居場所を作れない代わりに、ゲームでの勝利に自分の存在意義を見出している人もいるのかもしれない。
今はスマホで簡単にゲームをできる。定期的に「自分はなぜゲームをするのか?」ということを考えると良いのかもしれない。
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