ブラタモリ「トロリーバス」特集に反響 廃止まであと1年...タモさん乗せ「破砕帯」へ
長野県側から黒部ダムまで貫通するトンネル内を走る名物の「トロリーバス」(愛称トロバス)が廃止される。
代わりに走るのは、電気バス。NHKの旅行番組「ブラタモリ」でも、間もなく姿を消す「トロバス」が大きくフィーチャーされた。
2019年4月からは、電気バスを黒部ダムまで運行
2017年10月7日夜のブラタモリでは、2週連続で特集する「黒部ダム」の初回が放送された。
タモリさん(72)は、ダムを訪れるのは初めてというが、NHKの過去のドキュメンタリー「プロジェクトX」などで勉強してその歴史に精通していた。関西電力の担当者がきれいな空気にしようと、架線の電気で走るトロバスを導入したことを説明すると、「ずっとトンネルだしね」と相づちを打つ。
さらに、「法律用語上は、無軌条電車」と専門知識まで披露した。関電の担当者も、トロバスはバスではなく電車だと言う前に、タモリさんが答えを出してしまったと苦笑していた。実際、トロバスの車内を見ると、ハンドル操作はバスと同じだが、メーター類などは電車のような配置だった。
関西電力は8月28日、1964年から半世紀にわたって6000万人以上が利用したトロバスを18年11月で廃止し、19年4月からは電気バスを運行すると発表している。メンテナンス費用などのコスト削減のためだ。ブラタモリでも、このことが紹介され、タモリさんは早速、名残惜しそうに扇沢駅(長野県大町市)—黒部ダム駅(富山県立山町)間6.1キロの乗車を楽しんでいた。
タモリさんは知っていたが、立山黒部アルペンルート上にあるこの関電トンネルは観光用だったわけではなく、もともとはダム工事用だった。
その難工事ぶりはつとに有名で、今は亡き石原裕次郎さんと三船敏郎さんが共演した映画「黒部の太陽」(1968年)を通じて知られるようになった。
電気バス運行開始の記念イベントなどは未定
ブラタモリでは、うち最大の難所だった「破砕帯」の様子も紹介された。破砕帯とは、岩盤が細かく砕けて、砂のようになった柔らかい地層を指す。
トンネル内のその部分約80メートルは、青いライトで照らされて分かるようになっている。関電の担当者が破砕帯の様子が分かる扉を開けると、そこでは4℃もの冷たい水が滝のように噴き出していた。
当時は、崩れやすいうえに、大量の地下水があふれ出したため、作業員を苦しめたそうだ。破砕帯に遭遇するまでは、工事が1日に9メートル進捗していたが、ここでは1日に約40センチしかできなかった。総延長500メートルの水抜きトンネルを掘り、破砕帯を突破するまで7か月かかった。
普段は途中下車できないため、タモリさんらが見学できたことにネット上でうらやましがる声が相次いだ。
関西電力の広報室にJタウンネットが10月10日に話を聞くと、電気バスの運行開始後に記念イベントなどで破砕帯を見学できるかについては、「できるともできないとも決まっておらず、未定です」と答えた。
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