「ベストの睡眠時間は?」「眠りが浅くても大丈夫?」睡眠の悩みを医師がずばり答えます。
睡眠に関して悩みを抱える人が増えています。最近では「睡眠負債」という言葉も知られており、深刻化すると病気にもつながりかねないとあって注意が必要です。
そこで今回は糖尿病、ダイエット、漢方専門医として疲労専門外来も行っている工藤孝文医師のユーチューブチャンネル「工藤孝文のかかりつけ医チャンネル」から睡眠にまつわる話題を取り上げます。
【関連記事】「こむら返り」は体からの危険信号
睡眠時間のベストは?
まず気になる睡眠時間について工藤医師は「議論の余地はある」としながらも、一般的には「7時間」がベストという見解を示しました。その上で年を重ねていくことで段々と眠りが浅くなっていくのは普通のことだともいいます。
その主な原因は自律神経の乱れ。交感神経と副交感神経があり、互いにバランスを取って、体内を動かしていますが、年を取るにつれて、自律神経は乱れがち。そうなると「70をこえて7時間(連続で)眠れる人は少ない」と、どうしても睡眠時間は少なくなっていくといいます。
質のいい睡眠をとるためのポイントとは?
では、体内時計を整え質のいい睡眠を取るにはどうすれば良いでしょうか。鍵を握るのは「入浴」と「朝の光」だといいます。
良い睡眠を取るための1番簡単な方法は寝る2時間前に入浴すること。理由としては「体温が下がっていくときに脳は回復したり眠気が出るといわれている」ことから。その体の特性を生かし、「寝る2時間前に体を温めて、そこから体を1度冷やす」というのが、スムーズに睡眠に入るポイントだといいます。
さらに入眠と同時に目覚めも快適な睡眠生活を送るために大事となる。「光刺激が1番体内時計を整えるのに良い」ということから、「カーテンを開けて寝てみる」ことを勧める。効用としては太陽の光で目覚めることが習慣化され、精神の安定や睡眠に深く関わっている神経伝達物質のセロトニンが生み出され、心地良い起床に結びつくという。
不眠のリスクとは
また睡眠が十分に取れないことで病気に結びつきかねないということも知っておこう。糖尿病専門医としても診察を続ける工藤医師は睡眠を取れなくなる弊害として「高血糖、高血圧になり、体温の調節がうまくいかなくなる」ことを挙げる。体のメカニズムとして寝ている間は血糖値、血圧、体温も下がり、体を休めているところを、不眠が続くと前出のような状態となり、必然的に「感染症にかかったり免疫力が落ちたり、認知症になったり」という危険性が出てくるという。質の良い睡眠をしっかり取ることで生活習慣病を予防することにもつながっていくというのだ。
健康の基本となる睡眠だからこそ、快眠で体調を整えたいもの。できることから取り入れてみよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
工藤 孝文(くどう・たかふみ)
福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへ留学。
現在は福岡県みやま市の工藤内科にて、地域医療を担っている。
糖尿病、東洋医学・漢方治療、ダイエット治療を専門とし、NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などメディア出演多数。
日本内科学会・日本東洋医学会、日本肥満学会・日本糖尿病学会・日本高血圧学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・小児慢性疾病指定医。
Copyright © CoCoKARAnext All Rights Reserved.
「睡眠」をもっと詳しく
「睡眠」のニュース
-
筑波大、光で脳内のアデノシンを活性化させ睡眠を誘導する薬物開発に成功5月22日17時8分
-
2024年度も「睡眠の大切さを学ぶ中学生向け教育プログラム」の提供を実施5月22日16時46分
-
ねむりを変えれば、子どもの能力が伸びていく! 『忙しくても能力がどんどん引き出される 子どものためのベスト睡眠』2024年5月22日(水)発売!5月22日13時16分
-
ドイツ発スリープテック・ブランド エマ・スリープ チャリティオークションに製品提供5月22日12時16分
-
接触冷感素材アイスポイント使用で寝苦しい夜も安心。VR睡眠用まくら「ぶいすいーと」に専用まくらカバーが登場しました。5月22日11時30分
-
Z世代「落ち込んだ時の対処法」ランキング。「睡眠」や「スマホで気分転換」を抑えて1位はアレだった5月21日15時18分
-
高性能空気清浄機「Airdog」を展開する株式会社トゥーコネクトが西川株式会社と協同展示5月21日13時16分
-
起床・就寝時間が規則的な人はどのくらい? - 年代が高いほど「睡眠の質」が悪くなる傾向に5月21日11時21分
-
ゴールデンが寝ている場所は? 毎年恒例の定位置に「ニンマリする」5月20日11時29分
-
アスシアから睡眠の質に悩むすべての方へ。寝返りをサポートする腰に巻く枕。整形外科医山田朱織先生監修、睡眠時の腰の負担を軽減する「ロール腰枕」新発売5月20日11時16分